映像の企画・製作に積極姿勢を見せるジュピターテレコム(J:COM)が、今度は次世代コンテンツの開発を目指しCGの有力スタジオと手を組む。2018年8月29日、J:COMと子会社のアスミック・エースは、ダイナモグループと業務提携を締結したことを明らかにした。
CG 映像制作のダイナモピクチャーズ、その子会社でアトラクション向けの映像コンテンツを得意とするダイナモアミューズメントと共同で、AR・VR 技術を活用したオリジナルコンテンツ開発をする。特にダナモピクチャーズが得意とするモーションキャプチャー技術の次世代映像での活用を目指す。
提携の実施プランとして、次の3つが挙げられている。
(1) オリジナルコンテンツの企画・プロデュース
(2) オリジナルコンテンツとコンテンツ活用事業の多角展開協力
(国内・海外へのライセンスやプロモーションを含む)
(3) J:COM の広告営業事業におけるダイナモグループの技術の活用
J:COMは国内CATVの大手。KDDIと住友商事を大株主に持つ。メディアビジネスの変化を受けて、近年は映像・アニメーション分野の企画・開発に積極的だ。子会社の映画企画・製作・配給のアスミック・エースとも連携を深めている。
そのなかで今回は、次世代のエンタテイメントとして期待されるAR/VRに目をつけた。これらの技術を取り入れることで自ら権利を持つコンテンツを開発し、IP(知的財産)ビジネス開発の成長を目指す。
アスミック・エースは、これまでにも映画『3 月のライオン』のプロモーションをはじめ、ダイナモグループと数々の協業をしてきたそれをさらに深める。
ダイナモピクチャーズは2004年に設立、CG映像の制作で実績が多い。制作参加作品には、『モンスターハンター:ワールド』や『ペルソナ5』などがある。アニメ作品も得意とする分野だ。『こねこのチー』、『ユーリ!!! on ICE』、『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』など、アニメーション制作でも存在感が大きい。
すでに『ムー 未知との交信VR』や『ウルトラ逆バンジー』といったVR作品も制作している。J:COMグループとの業務提携は、そうした作品の出口を確保するといった点でも、ダイナモピクチャーズにとってメリットが大きそうだ。