日本から「音楽」が長編グランプリ オタワ国際アニメーション映画祭が各賞発表

オタワ国際アニメーション映画祭(The Ottawa International Animation Festival)

 世界4大アニメーション映画祭のひとつとして毎年注目されるオタワ国際アニメーション映画祭(The Ottawa International Animation Festival)が、9月28日に2019年のアワードの受賞者、受賞作品を発表した。
 このうち長編部門グランプリに、日本の岩井澤健治監督『音楽』が輝いた。2019年は同部門にはアヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ(クリスタル賞)『I Lost My Body』やラトビアの『AWAY』、そして日本からは他に『海獣の子供』と全7作品がコンペインしていた。有力作品が並ぶなかでの快挙である。
 オタワの長編部門での日本のグランプリは、2017年の湯浅政明監督『夜は短し歩けよ乙女』以来2年ぶり、2度目である。今回はインディーズ分野での日本の長編アニメーションの実力を見せつけた点で、大きな価値がある。

 『音楽』は、大橋裕之氏のマンガ単行本『音楽と漫画』に収められた「音楽」を原作に約70分の映像とした。不良学生がふとしたきっかけにバンドを結成したことで巻き起こす出来事の顛末を描く。全編手描きアニメーションとしている。マンガでは表現しきれなかった作品の核となる音楽が、映像では実際に演奏されているのもポイントだろう。
 2012年に制作発表したが、自主制作ということから7年の歳月をかけての完成となった。先頃は応援プロジェクトのクラウドファンディングの実施も話題を呼んだ。
 国内では2019年1月より新宿武蔵野館ほかでの公開を予定している。また10月末に開催される新千歳国際空港アニメーション映画祭でも長編部門のコンペティション作品に選ばれている。ここが日本でのプレミア上映となりそうだ。

 また映画祭短編部門グランプリは、オーストリアのThomas Renolder監督の『Don’t Know What』が輝いた。実写を取り交ぜた実験的な映像が特長だ。アヌシー映画祭のOFF LIMITS部門のグランプリ受賞に続く栄冠である。こちらも新千歳のオフィシャルコンペに選出されており。国内で観る機会も近い。

オタワ国際アニメーション映画祭(The Ottawa International Animation Festival)
http://www.animationfestival.ca/
アニメーション映画「音楽」
http://on-gaku.info/

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