創通第3Q減収減益 ガンダム堅調もヒット作なく、製作委員会から収入減少

ファイナンス決算

 アニメ企画・製作の有力企業の創通は、2018年7月5日に2018年8月期第3四半期の決算を明らにした。創通は期初に増収増益を見通していたが、5月に通期業績を減収減益と修正している。それを受けて第3四半期の決算は減収減益となった。
 連結売上高は130億2600万円(3.9%減)、営業利益は22億3300万円(7.5%減)、経常利益は23億700万円(2.8%減)、当期純利益は15億7500万円(2.4%減)である。第2四半期までは営業映益は12.5%の二桁減であったが、第3四半期に持ち直した。
 また通期連結予想は売上高、利益とも二桁減であるが、第3四半期までではいずれも小幅減少にとどまっている。

 アニメの企画・製作が中心のメディア事業、アニメ作品・キャラクターの二次展開が中心のライツ事業のいずれもが伸び悩んだ。

 メディア事業は売上高89億7000万円(4.5%減)で、営業利益は6億6200万円(9.3%減)である。主力は継続番組の『それいけ!アンパンマン』、新作は『ガンダムビルドダイバーズ』『美男高校地球防衛部 HAPPY KISS!』『ゆるキャン△』などだ。また大型キャンペーンで遊技機関連の「JR東日本 機動戦士ガンダムスタンプラリー 行きまーす!」が話題を呼んだ。
 しかし作品プロデュースの制作受託収入・放送事業収入が期初予想を下回っている。創通はこれについて、製作委員会方式による作品づくりの投資効率が悪化していること、製作委員会方式を用いない作品づくりが増える中で、従来型の製作委員会組成に業務が偏重し過ぎたとしている。

 ライツ事業は売上高33億8400万円(8.8%減)、営業利益15億5200万円(8.0%減)だった。「ガン
ダム」シリーズはヒットになったが、それ以外のプロデュース作品に大きなヒットがなかった。
 その結果、製作委員会からの配分金が減少した。ここでも製作委員会偏重のビジネスモデルが影響を受けたかたちだ。

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