「映画ドラえもん のび太の宝島」中国公開でロケットスタート 初日興収15億円

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 日本では2018年3月3日に公開された『映画ドラえもん のび太の宝島』が、6月1日に中国で全国公開し、絶好調なスタートを切った。初日の興行収入は約8900万元、日本円で15億円を越えた。
 初登場となった1日の金曜日は、それまで1位であった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を上回る興行収入ランキング1位。2日目となった2日の土曜日も、他作品を大きく引き離してのトップで始まっている。
 同じ週末には、中国のCGアニメーション映画からも『潜艇艦動員:海底2万里』、『魔鏡奇縁2』、『我的寵恐竜』と3本が公開されたがいずれも『ドラえもん のび太の宝島』に及ばなかった。

 『ドラえもん のび太の宝島』は、毎年公開される人気映画シリーズの第38作目にあたる。お馴染みののび太やドラえもんらが、太平洋の島に行き冒険を繰り広げる。監督はシリーズ映画初挑戦となる今井一暁、脚本に映画プロデューサーでもある川村元気、主題歌に星野源を起用したことも話題を呼んだ。
 映画「ドラえもん」シリーズは2010年代になり、ますます人気を拡大している。興行収入も右肩あがりで2018年はすでに50億円を突破し、シリーズ最高記録を更新した。こうした勢いが中国にも引き継がれたかたちだ。

 ドラえもんは、中国でも長年高い人気を獲得してきた日本のキャラクターである。それもあり日本映画の劇場公開本数が限られる中国でもたびたび全国公開されている。2015年にはCG版の『STAND BY ME ドラえもん』が興行収入5億元超えの大ヒットになり話題を呼んだ。
 2Dアニメ版のシリーズも、昨年の『のび太の南極カチコチ大冒険』が1億4800万元、2016年の『新・のび太の日本誕生』が1億300万元と、いずれも日本映画興行収入のトップ10に喰い込む。

 それらに続く『のび太の宝島』は、公開初日で8900万元とすでにトップ10にランキングした。2Dアニメ版「ドラえもん」シリーズとしては過去最高記録となる可能性は高い。
 作品の高い知名度に加えて、2015年の『STAND BY ME ドラえもん』から始まり毎年ドラえもん映画が公開される継続性も鍵になっている。また日本公開から3ヵ月足らず、作品のフレッシュ感が失われないなかのスピード公開も理由だろう。日本アニメの勢いを再び感じさせたことで、今後中国公開を目指す他の日本の劇場アニメにもよい影響がありそうだ。

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