国内では2020年2月21日に全国公開した『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』が、中国で好調だ。10月30日に中国で全国公開したところ週末興行ランキングで第2位に登場、約6500万元(約10億円)の興行収入となった。
公開から第4週目の週末となった11月22日までに累計興行収入は1億2440万元と、日本円で20億円近くにまで達している。この数字は1月に公開された『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』の4855万元を大きく引き離し、2020年に中国公開された邦画でトップになる。
驚くことは、『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』の国内興行収入は推定で2億円~3億円にとどまっている。中国での興行収入は、日本の興行収入の7倍から10倍になる。「デジモン」シリーズは中国で人気が高いとされていたが、日本を大きく上回る支持を集めたことになる。
『デジモンアドベンチャー』は、1999年にテレビアニメでスタートしたシリーズだ。バンダイが開発した玩具「デジモン」と連動して世界的に人気を集めた。その後シリーズ化された。1999年、2000年の劇場映画は大ヒット、米国でも2000年に963万ドルの興行収入になっている。
今回の映画は2015年から18年まで劇場上映で展開した『デジモンアドベンチャー tri.』の世界を引き継いだストーリーとなった。『tri.』では『デジモンアドベンチャー』から6年後の高校生になった主人公・太一らの新たな冒険を描いたが、本作ではシリーズ誕生20周年としてさらに大学生となった太一らとデジモンの最後の活躍となる。
2016年以降、中国では日本のアニメが次々と公開されるようになり、『君の名は。』や『STAND BY ME ドラえもん』などの大ヒット作も生まれている。
しかし2020年は新型コロナウィルス感染症の世界的な広がりから、中国でも劇場興行の休止・縮小が行われた。このため現在までで公開されたのは『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』、『海獣の子』、『未来のミライ』の4本にとどまっている。今後は12月に『映画ドラえもん のび太の新恐竜』、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』の公開が予定されている。こちらの興行がどこまで伸びるかが注目される。