東宝が2021年向けて新中期経営戦略発表 キャクター&海外事業強化で過去最高益目指す

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 国内最大手の映画会社の東宝が、さらなる事業拡大を目指す。2018年4月13日、東宝は通期決算と併せて、新しいグループの中期経営戦略「TOHO VISION 2021」の策定を明らかにした。
 これまでの中期経営戦略「TOHO VISION 2018」の達成を踏まえたものになる。「2018」では連結営業利益300億円超の維持、18年2月期350億円超を掲げたが、2017年には502億円を超えるなど大きな成果を残した。さらに大きな数値目標を掲げると同時に、東宝の新たなビジネス領域を定めた。

 「TOHO VISION 2018」では、5つの重点投資領域を挙げたが、新中期経営戦略では6つの戦略を「主軸戦略」と「ブライクスルー(突破)戦略」、「新規事業戦略」の3つのカテゴリーに分けたのが特長だ。
 戦略を着実に実行することで、2021年までの3年間の連結営業利益400億円の維持を確実なものとする。さらに過去最高益であった502億円の突破も視野に入れる。

 「主軸戦略」は既に経営の柱となっている事業の強化にあたる。「コンテンツ戦略」と「プラッットフォーム戦略」、「不動産戦略」に分けられる。
 コンテンツ戦略では企画開発力の強化、製作の強化が顕著になっている。例えば東宝は2019年度に27作品を配給する。これは30作品を超えていた過去5年間より少ないが、製作主体となる主幹事作品が15本と半数を超えている。2014年の4本、15年の7本から急増した。配給・興行に加えて、製作にも積極的に関わっていく方向性が読み取れる。
 プラットフォームでは、劇場の充実がさらに図られる。3月にオープンしたTOHOシネマズ日比谷に続き、2020年の池袋のシネコンと積極的な出店が続く。

 「ブライクスルー(突破)戦略」はすでに取りかかっているが、今後さらに大きな収益を目指す事業である。キャラクター事業と海外戦略が挙げられている。
 海外事業では、日本からの企画を世界に展開することが挙げられている。2019年に『ゴジラ2』、2020年に『GODZILLA VS. KONG』がグローバル公開される「Godzilla」はもちろん、『君の名は。』のハリウッド実写化もある。さらに米国、中国で複数案件を開発中としている。キャラクター事業は積極的な商品開発と流通が進められている「Godzilla」が軸となる。
 いずれも現在の事業規模は必ずしも大きくないが、一方で巨大なグローバルマーケットが存在する。成功すれば伸びしろが大きな領域である。文字どおりのブライクスルーを目指す。

 「新規事業戦略」は、これから着手する未知の領域と言っていいだろう。新規事業の育成としているから、ブライクスルーのさらに先になる。
 ターゲットは映像・演劇だけでなく、音楽、ゲームも含む。さらにサービスやテクノロジーの開発もとしており、実現すれば現在の映画・演劇の会社といった東宝のイメージも大きく変る可能性がある。オーソドックスな伝統企業とみられることの多かった東宝がどこまで変わるのか、「TOHO VISION 2021」は多くの可能性が秘められている。
 
「TOHO VISION 2021」
■ 主軸戦略
コンテンツ戦略/プラットフォーム戦略/不動産戦略
■ ブレイクスルー(突破)戦略 <Godzilla×Global=G2戦略>
キャラクター戦略/海外戦略
■ 新規事業戦略

「TOHO VISION 2018」
<5つの重点投資領域>
■ 自社企画作品の拡充および幅広いライツの確保
■ TOHOシネマズの戦略的出店と高機能・高付加価値化
■ グループ不動産事業再編による基盤強化と新規取得
■ ゴジラを中心としたキャラクタービジネスの展開
■ 海外市場開拓のビジネスモデルの確立

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