バンダイナムコアーツ「宇宙戦艦ヤマト」のボイジャー設立アニメスタジオに出資

提携

 バンダイナムコグループのアニメ関連企業のM&Aが加速している。バンダイナムコグループのアニメ事業会社バンダイナムコアーツは2019年10月15日、2019年5月に設立された新アニメスタジオのstudioMOTHER株式会社(スタジオマザー)に出資をしたと発表した。
 出資比率は明らかにされていないが、今回の出資を通じてアニメーション制作ラインの増強を実現する。ヒットコンテンツの創出を目指すという。

 studioMOTHERは、ボイジャーホールディングス株式会社(ボイジャー)が中心になって2019年5月に立ち上がったばかり。ボイジャーは「宇宙戦艦ヤマト」のシリーズの原作を保有し、ライセンスを管理する会社としてしられている。
 「宇宙戦艦ヤマト」シリーズは、1974年のテレビシリーズを起点に一大フランチャイズとしてスタートした。2013年の『宇宙戦艦ヤマト2199』をきっかけに再び人気が高まっている。2020年秋からは新シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』がスタートすることが決まっている。

 作品はこれまで複数のアニメスタジオで制作されてきたが、権利元であるボイジャーが自らアニメスタジオを設立する新たな展開となった。studioMOTHERは、東京都杉並区阿佐ヶ谷南に拠点を置き、代表取締役社長は下地志直氏が就任した。
 下地志直氏は長年IGポートの子会社のアニメスタジオジーベックの取締役社長を務めていた。ジーベックは『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』や『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』のアニメーション制作も担当している。2019年春に主要事業をサンライズに売却し、スタジオは事実上解体された。これを受けての新会社設立とみてよいだろう。
 バンダイナムコアーツは、これまで「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの流通・ビデオソフトの発売・販売に深く関わってきた。新会社に出資することで、作品との関係をより強固にすることになる。

 今回の出資は、アニメ関連企業の買収・出資を広く進めるバンダイナムコグループの戦略も影響していそうだ。
 10月9日にはバンダイナムコホールディングスによりガンダムのライセンス管理会社としても知られる創通への公開買い付けがは発表されたばかりだ。グループのアニメ企画・制作会社サンライズは春にジーベックのアニメーション制作事業を買収している。
 バンダイナムコアーツ(当時バンダイビジュアル)も2017年に『ガールズ&パンツァー』の制作で知られるアクタスを買収している。川上から川下まで、グループのアニメ強化戦略が続いている。

studioMOTHER株式会社(スタジオマザー)
東京都杉並区阿佐ヶ谷南
代表取締役社長:下地志直

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