「ゴジラ2」に「君の名は。」「名探偵ピカチュウ」 東宝が国際共同製作3作品を発表

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 国内映画会社最大手の東宝が国際共同製作に大きく舵を切る。2018年1月15日、東宝は3つの国際共同製作の大型プロジェクトを発表した。
 2019年公開の『GODZILLA 2』と『DETECTIVE PIKACHU』、そして2016年に国内で大ヒットとなった劇場アニメ『君の名は。』のハリウッド実写映画化である。いずれも日本の有力キャラクター、ゲーム、アニメに基づいたハリウッドでの大作映画となる。
 日本コンテンツの海外映画化では、これまで日本企業は翻案権や映画化権の販売のみにとどまることが多かった。しかし東宝は3つのプロジェクトの全てに製作出資し、国内配給も担当する。より積極的に事業に関わることで利益拡大を目指す。

 発表されたタイトルは、いずれもかなりのビッグタイトルである。『GODZILLA 2』は、2014年にギャレス・エドワーズ監督で世界的な大ヒットになったハリウッド版『GODZILLA』の続編にあたる。東宝はレジェンダリー・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザーズと製作パートナーを組む。
 前作でも日本配給は担当したが、製作出資は今回が初。これを機にゴジラのグローバルライセンス事業にも本格参入するとしている。
 全米公開はすでに2019年3月22日に決まっている。東宝自身が生みだしたゴジラは特別な存在だが、さらに同社の国際進出においてもメルマークな作品になりそうだ。

 『DETECTIVE PIKACHU』は、大ヒットゲーム「ポケモン」シリーズの人気キャラクターをスピンオフしたニンテンドー3DS 用ゲームソフト『名探偵ピカチュウ』が原作だ。シリーズ初の実写化になる。こちらの共同製作もレジェンダリー・ピクチャーズ、そしてユニバーサル・ピクチャーズとハリウッドの大手製作・配給会社が参加する。
 本作の製作はこれまでたびたび海外メディアで報じられてきたが、東宝が共同製作に参加、出資することが正式に明らかにされたのは今回が初である。日本配給も東宝が予定するなどビジネスの関わりも深い。世界的な話題作だけに、ビジネスの成否も注目される。

 『君の名は。』のハリウッド実写映画化は、2017年9月にすでに発表されていた。プロデューサーに東宝の川村元気氏が参加するとされたため、日本側の製作関与が大きいとみられていたが、あらためてこれを確認するかたちだ。上記2つのプロジェクトの映画制作が着実に進んでいることから、実写版『君の名は。』も、かなり実現性の高いプロジェクトとみられる。
 こちらの共同製作のパートナーはパラマウント・ピクチャーズとなる。東宝はワーナー・ブラザーズ、ユニバーサル、パラマウントと、ハリウッド6大メジャーのうち3つと相次いで共同製作に取り組む。国際ビジネスでの大きな飛躍を感じさせる。

 東宝は国内で一強体制の巨大企業だが、国際ビジネスには消極的というのが、長年のイメージである。積極的な海外展開は2015年4月に掲げられた「TOHO VISION 2018 東宝グループ中期経営戦略」の中で掲げられたのが始まりだ。
 国内事業は安定した利益を出しているが、すでに業界シェアはかなり高く、長期的には国内マーケット全体の縮小も視野に入る。そこで成長の機会を海外に求める。近年の業績好調で、リスクを取りやすい財務体質であることも影響しているだろう。
 発表された3作品以外にもハリウッドと中国で複数のプロジェクトを推進、開発中であるという。いずれも共同製作出資を前提としている。国内の巨人は、世界でもビッグプレイヤーに変るのか、2018年~19年が大きなターニングポイントになるかもしれない。

[東宝が発表した国際共同製作プロジェクト]

■ 『 GODZILLA 2 』
共同製作パートナー:レジェンダリー・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザーズ
全米公開:2019 年3 月22 日
■ 『 DETECTIVE PIKACHU 』
共同製作パートナー:レジェンダリー・ピクチャーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ
全米公開:2019 年5 月10 日
■ 『 君の名は。 』
共同製作パートナー:パラマウント・ピクチャーズ
全米公開:未定

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