東宝第3Q、前年並みで堅調 アニメ事業は31%増で78億円「GODZILLA 怪獣惑星」「僕アカ」など

ファイナンス決算

 1月15日、国内大手映画会社の東宝は2018年2月期第3四半期の決算発表をした。前年同期にあった『シン・ゴジラ』や『君の名は。』といったメガヒットの反動も懸念されるなか、ほぼ前年並みと好調さを維持している。
 第3四半期までの売上高は1904億4400万円と6.9%の増加、営業利益、経常利益、当期純利益はそれぞれ398億8700万円(3.8%減)、410億4200万円(3.5%減)、282億3800万円(0.3%減)と小幅の減少である。第3四半期は『君の名は。』のDVD/ブルーレイが好調だった。

 映画事業は全体で売上高1285億3500万円(7.3%増)、営業利益は275億2300万円(4.6%減)である。
映画映像事業は東宝東和の配給が好調で、『怪盗グルーのミニオン大脱走』(71.4億円)、『SING/シング』(51億円)、『ワイルド・スピード ICE BREAK』(40.4億円)とヒット作が相次いだ。しかし配給収入全体の減少(263億3100万円/29.5%減)をカバーできなかった。一方で映画興業はほぼ前年並みであった。

 好調だったのは、映像事業である。売上高304億200万円は38.4%増、営業利益は78億3500万円と30.9%増に急伸している。『君の名は。』と『シン・ゴジラ』のDVDとブルーレイの発売があったパッケージソフトが139億6300万円(86.4%増)と売上げを大きく伸ばしている。
 またアニメ製作事業も好調だ。売上高78億9300万円(31.1%増)と引き続き高い成長を維持している。通期では売上高100億円が視野に入ってきそうだ。
 アニメ製作事業では製作出資に積極的で、今期は映画『GODZILLA 怪獣惑星』、『名探偵コナンから紅の恋歌(ラブレター)』、『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』、テレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』、『宝石の国』、『血界戦線 & BEYOND』のが主力タイトルになる。

 映像以外では、演劇事業が売上げ119億3300万円(11.1%増)、営業利益24億5400万円(12.6%増)と堅調だ。帝国劇場、シアタークリエの各演目がヒットした。
 不動産事業は売上げ468億1700万円(0.1%減)、営業利益は125億2600万円(3.2%減)。賃貸は高稼働をしたが、日比谷シャンテのリニューアル工事の影響で減益となった。

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