2018年1月25日から28日まで、世界有数の漫画イベントであるアングレーム国際漫画フェスティバルがフランスで開催される。今年で45年目を迎えるグローバルなイベントは、かねてより日本マンガを大きく扱ってきた。しかし今年は、とりわけ大きな注目を浴びそうだ。
2018年が日本とフランスの修好160周年でもあり、これに合せて大型企画が実現する。期間中に手塚治虫、浦沢直樹、真島ヒロと、日本を代表する3人を取り上げて、3つの展覧会を同時開催する。いずれも作品や作家の業績にスポットをあてる。
なかでも一番若い真島ヒロは、代表作『フェアリーテイル』で世界的に高い人気を誇る。フェスティバル開催中に『フェアリーテイル』展で手描き原稿約50点を含む、 合計100点超の原画を展示する。会場は「『FAIRY TAILの世界』の部屋」「ファンタジー・魔法の部屋」「冒険とドラゴンの部屋」「作家の技法の部屋」「作家のテーマの部屋」の5つから構成される。
さらに真島ヒロも現地を訪れる。トークセッションやサイン会も行い、現地のファンとのコミュニケーションを図る。
浦沢直樹は過去2回、アングレームで最優秀長編賞とインタージェネレーション賞を受賞しており、フランスでの評価の高さは抜群だ。こちら『20世紀少年』や『PLUTO』など代表作を中心にした回顧展となる。浦沢も、アングレームを訪れる。また展覧会はアングレームで終了した後に会場をパリのシティ・ホールに移し、2月13日から3月31日まで巡回展を実施する。
手塚治虫の展覧会は「Osamu Tezuka Manga no Kamisama」とタイトルされる。ヨーロッパで初めとの手塚治虫の大規模な回顧展になる。
毎年恒例のアワードの候補作品にも、日本作品が選ばれている。グランプリの対象となるオフィシャルセレクションには3作品、安倍夜郎の『深夜食堂』、ながべの『とつくにの少女』、真造圭吾『トウキョウエイリアンブラザーズ』。日本でも見落とされがちな傑作に目を配るアングレームらしいセレクションだ。
また若者向け部門(Sélection Jeunesse)では一色まことの『花田少年史』、また時代を超えて残すべき作品として過去作から選ぶ遺産部門(Sélection Patrimoine)には、楳図かずお『わたしは慎吾』が選ばれている。こちらの行方にも期待がかかる。
アングレーム国際漫画フェスティバル
(Festival International de la Bande Dessinée d’Angoulême)
http://www.bdangouleme.com/