『攻殻機動隊』や『All You Need Is Kill』、『デスノート』など、近年は日本の優れたマンガや小説を米国で実写映画化されることは珍しくなくなっている。それ以上に、日本コンテンツを原作とした企画は少なくない。
こうした中で、とりわけ異色な大型企画が浮上した。米国のエンタテイメント業界の有力情報誌「The Hollywood Reporter」は、2017年9月20日に同誌のスクープ記事として横山宏の『マシーネンクリーガー』の実写映画化企画が浮上していると伝えている。
The Hollywood Reporterによれば、この企画はハリウッドの9月8日に公開され爆発的なヒットとなった『IT』のプロデューサーのロイ・リーが進めているとする。さらにワーナー・ブラザースが製作に参加する。脚本や監督などのスタッフ、出演俳優、さらにスケジュールなどには言及さてない。企画の初期段階と見ていいだろう。
ロイ・リーは、アジアの人気コンテンツのハリウッド映画化で長年実績を持っている。2002年のハリウッド版『リング』、2004年の『The Grudge』、2013年の『オールドボーイ』にも参加した。2017年にはホラー映画として米国史上最大のヒットになった『IT』も手がけている
『マシーネンクリーガー』は、1982年にホビージャパン社の雑誌の連載企画からスタートしたSFプロジェクトだ。その後、タイトルを現在の『Ma.K.(マシーネンクリーガー)』に変え、現在まで続いている。
横山宏のデザインした二本足歩行をするロボットを中心に様々な設定や世界観が築かれている。舞台は人類が銀河系に 進出した29世紀末、地球は第4次世界大戦後の混乱に見舞われている。それを統治するシュトラール共和国と地球独立政府軍が戦う。
作品の魅力は世界観の持続的な成長で、作品は玩具・フィギュアやマンガなど多様な展開を遂げている。その人気は日本だけに海外にも広がり熱心なファンを獲得している。映像化は待望であるが、それがハリウッドの映画企画というのは驚きだ。
日本コンテツの米国実写化は、『ゴジラ』や『NARUTO』や『カウボーイ・ビバップ』、『デスノート』など日本でも大ヒットになっているタイトルが話題になる。
一方で、ビッグタイトルだけでなく、知名度はそれほどでなくても、高い評価を受けて熱心なファンを持つ『『All You Need Is Kill』』のような作品もある。やはり実写映画企画が浮上したことのある『戦闘妖精雪風』のような例もある。『マシーネンクリーガー』もそうしたひとつと言えそうだ。