「屋根裏のラジャー」Netflixで世界に、今後のスタジオポノック長編作品の独占配信権も獲得

屋根裏のラジャー

 日本では2023年12月に全国公開された話題の長編アニメ映画『屋根裏のラジャー』が、Netflixを通じて世界配信されることが決定した。Netflixが本作を制作するスタジオポノックと複数のアニメ映画についてパートナーシップを締結した一環だ。『屋根裏のラジャー』は、2024年後半に世界配信を開始する。日本での配信時期は、今後決定する。
 またパートナーシップにおいて、Netflixはスタジオポノックが今後制作する劇場作品などの長編アニメのストリーミング・ビデオ・オンデマンド型配信を独占的に扱う。世界有数の配信プラットフォームとの連携でスタジオポノックのアニメの世界は、いっきに海外に広がりそうだ。

 スタジオポノックは2015年に、スタジオジブリで『かぐや姫の物語』や『思い出のマーニー』をプロデュースした西村義明氏らが設立した。設立後には米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』、短編オムニバスの『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』などのヒット作、話題作を制作している。
 『屋根裏のラジャー』はスタジオの最新作で、英国のA.F. ハロルドの児童小説「ぼくが消えないうちに」(ポプラ社)(「The Imaginary (原題)」)を原作に、創造性と冒険に溢れた長編アニメとした。少女アマンダの想像中から生まれたラジャーが、自分が消えてしまうかもしれない危機と戦う。百瀬義行監督の生み出す映像はこれまでの手描きアニメを超えた新たな技術を用いた光と影の演出を深化させ、みどころになっている。

 Netflixは良質な長編アニメーションの独占配信に力を入れており、これまでに米国アカデミー賞も受賞した『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』、今年のアカデミー賞にノミネーションされた『ニモーナ』、『ミッチェル家とマシンの反乱』、『クロース』など数々の傑作を届けている。今後は『オリオンと暗闇』、『ユニコーンのテルマ』、『Ultraman: Rising』などの話題作も予定する。
 『屋根裏のラジャー』、そして今後続くスタジオポノックの長編作品も、そうしたひとつとして注目されそうだ。  

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