2017年8月4日、大手エンタテイメント企業のバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)はが2018年3月期第1四半期決算の発表をした。連結売上高は前年同期並みの1440億8400万円(0.5%減)だった、また利益面では、営業利益が156億1100万円(33.3%減)、経常利益が162億4000万円(29.2%減)、純利益は134億9800万円(27.0%減)と減益であった。
しかし、17年5月10日に公表していた業績見通しを上回るペースとなっている。バンダイナムコHDは第2四半期、そして通期の業績見通しを修正した。第2四半期の売上高は2750億円から2950億円に、通期は6000億円か6200億円に引き上げた。いずれも前年並みとなる。利益面では第2四半期のみを引き上げて、通期は据え置いた。
業績見通しはゲームを中心としたネットワークエンターテインメント事業の好調が理由である。事業別の売上高は、トイホビー事業、映像音楽プロデュース事業のいずれもが前年を下回ったが、ネットワークエンターテインメント事業のみ前年同期比7.1%増となっている。
売上高は917億8900万円(7.1%増)、営業利益は127億800万円(23.4%減)。スマートフォン向けアプリゲームで、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や『ワンピース トレジャークルーズ』が世界市場で好調だった。
『ドラゴンボール』はグループ全体で好調で、IP(知的財産)別の売上高で前年同期の80億円から197億円に急伸した。IP別では前期1位だった「ガンダム」シリーズの152億円、2位だった『ワンピース』の74億円を超えて1位になった。スマホ向けアプリの収入が、大きく反映しているとみられる。
アニメやアニメ音楽が中心となる映像音楽プロデュース事業の売上高は104億100万円(23.6%減)、営業利益は26億700万円(43.1%減)だった。「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズが引き続き主力となったほか、『ガールズ&パンツァー』や『黒子のバスケ』などのライセンス収入も大きかった。
またトイホビー事業の売上高は427億9400万円(11.0%減)、営業利益は13億4600万円(61.8%減)となる。「仮面ライダー」シリーズや「スーパー戦隊」シリーズは前期より伸びたが、「ガンダム」シリーズが4割近い落ち込みになった。また『妖怪ウォッチ』の下げ幅も大きかった。
ネットワークエンターテインメント事業の売上増が目立ち、業績上方修正となったが、全体ではやや軟調さを感じさせる業績となっている。