テレビ東京HD決算 深夜ドラマの配信・アニメ事業が好調、AT-XはA応Pが伸長

ファイナンス決算

2017年3月期第2四半期の決算を発表したテレビ東京ホールディングス(テレビ東京HD)の業績が、権利ビジネスに牽引されている。これまで好調であったアニメ事業に加えて、深夜ドラマの配信を中心にライツ(一般)事業も急伸、当初業績予想を大きく上回る決算となった。これを受けて、通期業績予想も売上高・利益を上方修正した。
第2四半期までの連結売上高は697億7400万円(6.4%増)、営業利益は32億1100万円(19.3%減)、経常利益は34億9000万円(16.2%減)、当期純利益は21億2200万円(15.1%減)となる。全体の利益は前年比同期比で落としたが、営業利益で当初予想より45%高く、経常利益、当期純利益でも、それぞれ42.4%、33.8%増加している。業績は堅調と言っていいだろう。

■ アニメ事業はアジアで引き続き伸長 Amazon配信で深夜ドラマが躍進

利益を引き上げたのは利益率の高いソフトライツ収入である。アニメ事業は『妖怪ウォッチ』の商品化の減少を、海外事業で補った。『NARUTO』、『BLEACH』のゲーム化、配信が好調だった。上期の売上高は85億300万円で15.3%増、粗利益は32億4100万円で11.8%増と引き続き好調だ。
さらに今期はライツ一般事業がこれに加わる。売上高は26億8500万円(96.7%増)とほぼ2倍に達した。粗利益は3倍増の15億9700万円(193.3%増)である。2016年4月にスタートしたAmazonと連動した深夜ドラマの配信事業が急伸したほか、アジアを中心に『孤独のグルメ』の番組販売が好調だった。
ホールディングス全体の営業利益が32億1100万円であるのに対して、アニメ事業とライツ一般事業を合せた粗利益は48億3800万円にもなる。アニメやライツがテレビ東京HDを利益面で支えていることが分かる。

■ AT-Xに『おそ松さん』効果で二桁増収に

アニメ関連では、アニメ専門チャンネルAT-Xを運営するエー・ティー・エックスの業績も注目される。同社がプロデュースするアイドルユニット A応Pが歌った『おそ松さん』の関連楽曲が好調だった。さら出資作品も好調なことからライツ売上が伸びた。CS放送関連の売上高は30億9600万円、前年同期比18.3%増である。
音楽出版のテレビ東京ミュージックも『おそ松さん』を始めとするアニメ楽曲の印税収入が堅調。アーティスト関連の売上もあり、売上高は15億4700万円と2.5%の増加であった。

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