メディアドゥ、今期売上高400億円を予想 M&A戦略で前期2.5倍

ファイナンス決算

 積極的なM&Aを通じて、デジタル出版関連事業分野で急成長するメディアドゥが、2017年7月14日に2018年2月期第1四半期の決算発表をした。またこれに合せて、2018年2月期の業績予想を発表した。
 メディアドゥは過去5年間も年率13%から45%の安定した売上げ増加であったが、今期の連結売上高は、これまでを大きく超える急拡大となる。同社の業績予想によれば18年2月期の連結売上高は400億円、前期の155億3200万円から2.57倍に膨れあがる。相次ぐ企業買収で、事業規模が一気に拡大した。第1四半期売上高は、77億4600万円とすでに前年の売上高のおよそ半分に達している。

 メディアドゥは電子書籍取次の大手だが、2017年3月に同分野で市場シェア1位、自社より事業規模の大きな出版デジタル機構の株式を産業革新機構から取得し、出版業界を驚かせた。加えてコミックカラーリングのアルトラエンタテインメント、マンガ情報サイトのマンガ新聞、HONZなどを相次ぎ傘下に収めている。
 2017年5月末の段階で連結子会社7社、関連会社は3社に拡大している。デジタル出版の成長性と将来性に目を向け、短期間でいっき攻勢をかけた。業務は電子書籍取次のほか、自らのプラットフォームや電子書籍ストアの運営、ウェブサイトの運営、メディアプロモーション、広告などに及ぶ。

 売上高の急伸の一方で、通期連結の営業利益は前期6億5600万円に対して10億円、経常利益は6億5600万円に対して9億6200万円といずれも50%前後の見通しにとどまる。利益よりもまず業務の拡大を目指す方向性が窺える。
 一方で出版デジタル機構に株式取得に79億円を要するなど、財務面の負担は増している。18年2月期第1四半期末時点での流動負債は113億7600万円、また長期借入金が110億2700万円となっている。今後は利益部門である電子書籍取次をさらに伸ばし、同時に新事業の成長を目指すことになる。

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