エンタメ大手のKADOKAWAと交通事業のWILLERが、アニメの魅力を打ち出した旅行商品の企画・販売やネットワークづくりを目的に資本・業務提携する。WILLERはKADOKAWAのグループ会社・角川アスキー総合研究所の子会社株式会社クールジャパントラベルに出資にすることで合意した。
クールジャパントラベルは2017年2月に、日本のコンテンツを軸にした旅行企画会社として、角川アスキー総合研究所の100%出資、資本金1800万円で設立されたばかりだ。今回の合意により、6月30日付で大幅増資を実施する。第三者割当で角川アスキー総合研究所が1億1200万円、WILLERが2800万円を払い込む。増資後の持株比率は、角川アスキー総合研究所(75%)、WILLER(25%)になる予定である。
大坂に本社を持つWILLERは、高速バスの運行や鉄道経営に携わる。きめ細かな路線網で、日本の様々なエリアをつなぐ。交通事業をKADOKAWAグループのコンテンツを組み合わせることで、エンタテインメント性の高い旅行体験の提供が可能になる。
近年は、アニメ作品の魅力を地域に結びつけた聖地巡礼が活発だが、これらと旅行を結びつけた作品公式ツアーなどの旅行商品の企画・販売を目指す。クールジャパントラベルは、コンテンツツーリズムの専門会社と言っていいだろう。
KADOKAWAは埼玉県所沢市で、2020年開業を目標に「ところざわサクラタウン」(仮称)を進めている。KADOKAWAと所沢市が共同で推進する「COOL JAPAN FOREST構想」の主要プロジェクトで、アニメやマンガなどのコンテンツを様々なかたちで楽しむ複合施設となっている。国内コンテンツツーリズムのゲートウェイも主要な機能だ。
クールジャパントラベルは、まずここで大きな役割を果たす。コンテンツと旅行の有力企業と手を組むことで、「ところざわサクラタウン」と空港などの交通のハブ、アニメ聖地などの観光地を結びつける。リアルなネットワークを構築に、WILLERのノウハウが活かされる。
WILLER側のプロジェクトについては、6月12日に開催される発表会「NEXT WILLER」にてあらためて披露する。