国内でも大ヒットを続けるアニメ映画『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が、早くも海外で大人気となっている。日本公開からわずか1ヵ月の間に世界の主要国で次々に上映を開始、好調な出足だ。
世界各国で週末興行ランキングに登場し、『ソードアート・オンライン』へのファンの熱狂がグローバルに広がっていることを示した。3月20日までに海外での動員数は70万人に達し、興行収入の累計も6億円を超えた。
3月1日には、世界最大の映画市場である米国のハリウッドにあるエジプシアン・シアターで米国プレミアを開催した。
当日は日本から原作者・川原礫、キャラクターデザイン原案・abec、伊藤智彦監督、キャラクターデザイン・総作画監督・足立慎吾氏、三木一馬氏、柏田真一郎氏らの6名が現地を訪れる力が入ったものとなった。チケットは完売、約600名のファンが劇場を埋め尽くす大盛況となった。
これに続き3月9日には米国・カナダの560館の劇場で北米公開をスタート。9日から12日までの4日間で観客動員数は9万人、興行収入は135万ドル(約1億5000万円)となった。米国での配給はアニプレックスの現地法人Aniplex of Americaが手がけたが、同社による劇場公開作品の初週末興行で過去最高となる。
さらに4月22日からは、英語吹替版の上映がスタートする。日本の劇場アニメの吹替版が、日本の公開からこれほど短期間で上映されることは珍しい。字幕が苦手とする現地の観客にアピールしそうだ。
同じ3月9日には、オーストラリアとニュージーランドでも50館で公開、興行収入約3500万円、約3万人を動員した。
英語圏に先立って、すでにアジア各国でも大きな成果が報告されている。2月24日スタートの台湾では43館、興行収入約1億5100万円、約18万人を動員。22日スタートの韓国は76館、興行収入約8000万円、約10万5000人を動員。23日スタートのシンガポールは8館、興行収入約5000万円、約4万1000人を動員といった具合だ。
台湾では週末興行収入2週連続3位を記録、タイでも初週末4位であった。マレーシア、フィリピンでも公開され好評を博している。
アジア以外でも、メキシコで3月4日より約90館で公開。初週末で9位、2週目は7位に浮上するほどの好調ぶりだ。動員数は10万となり、興行収入も4000万円に達した。
こうした海外での劇場興行の好調は、テレビシリーズや小説で培ってきた『ソードアート・オンライン』の人気によるところが大きい。一方で、日本の関係者も参加した積極的なプロモーションも理由だ。
米国プレミアだけでなく、韓国、タイ、ドイツ、フランスで伊藤監督や足立慎吾氏、柏田真一郎氏、声優の松岡禎丞氏らが参加したプレミアイベントが開催されている。ファンとのコミュニケーションを通じて話題作りに成功している。
今後は、そのイベントがあったドイツ語圏、フランス語圏のほか、イギリス、香港、インドネシア、ベトナム、北欧、イタリアなどで次々と公開がスタートする。特に現地吹替版の上映となるドイツ語圏、フランス語圏、イタリア、さらに4月下旬よりスペイン語版が新たにかかるメキシコが期待だ。現地のファンのニーズを捉えた『劇場版 ソードアート・オンライン』は、今後の日本アニメの海外展開の成功例としてビジネス面でも注目されるに違いない。
『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』
http://sao-movie.net/