「和田淳展」、横浜美術館が国内外で注目の若手アニメーション作家にフォーカス

和田淳

 国内外で広くアニメーション創作を続ける和田淳にフォーカスした個展が、2017年2月3日から28日まで横浜美術館のアートギャラリー1とCafé 小倉山で開催される。『和田淳展|私の沼 WADA Atsushi: My Marsh』と題された展覧会で、横浜美術館が毎年、将来の活躍が期待される若手作家を紹介する「New Artist Picks(NAP)」の最新企画だ。
 近年、海外の映画祭で日本の若手アニメーション作家が活躍することが増えている。和田淳はそれを代表する存在だ。ベネチア映画祭やザグレブ、アヌシー、オタワといった海外のアニメーション映画祭でたびたび公式上映され、2012年には『グレートラビット』でベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞した。

 国内の短編アニメーションの上映会、映画祭ではお馴染みの和田淳だが、展示会として作品を紹介する機会はこれまでほとんどなかった。今回は、空間を用いることでその作品と世界を立体的に展開する。これまでになかったかたちで作品を知ることが出来る。
 また展覧会では、複数の画面を用いた新作映像インスタレーションを発表する。国内外で注目される作家の新作が観られる貴重な機会になる。

 和田淳は、1980年兵庫生まれ。大阪教育大学、イメージフォーラム付属映像研究所、東京藝術大学大学院映像研究科で映像を学んだ後、2002 年頃から独学でアニメーション制作をはじめた。
 その特徴は、まるで和紙にでも描いたかのような繊細で、暖かみがあり、どこか懐かしささえ感じる絵にある。一方で、ストーリーの多くは不可解で、それが逆に人を惹き付ける。良質のアートと呼ぶに相応しい作品だ。

 個展は観覧無料。開館時間や休館日は、横浜美術館の公式ページで確認できる。また2月4日には、アーティスト自身によるギャラリートーク、2月25日には和田淳作品の特集上映を中心とした上映会「カラダ!リズム!フィルム!」も開催する。いずれも申し込み不要で、料金も無料と気軽に楽しめる。

『和田淳展|私の沼 WADA Atsushi: My Marsh』 in 横浜美術館
http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20170203-482.html

2017年2月3日(金)~2月28日(火)
会場: 横浜美術館 アートギャラリー1、Café 小倉山
観覧料: 無料
主催: 横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)

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