東京アニメアワードフェスティバル実行委員会と一般社団法人日本動画協会は、2018年1月22日に今年のアニメ功労部門・授賞者11名を発表した。功労部門は2005年に東京国際アニメフェアのなかで顕彰するアワードとしてスタートした。様々な分野で日本のアニメーション業界に貢献してきた人物の業績を讃える・
2013年に東京国際アニメフェアが終了したことから、その後は東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)のなかで開催されている。今年で14回目を迎え、これまでに百数十名・企業団体が受賞している・
2018年も長年業界で活躍した多くの名前が挙がった。アニメーション制作の現場からは、まず亜細亜堂の設立メンバーでもある芝山努氏。『ドラえもん』や『ちびまる子ちゃん』をはじめ多くの監督・演出を手掛けてきた。とりわけキッズファミリー作品で大きな業績を残し、多くの演出の影響を与えた。
杉井ギザブロー氏は1958年に東映動画に入社後、日本の長編アニメの草創期『白蛇伝』、『少年猿飛佐助』などにアニメーターとして参加。その後は虫プロ、グループ・タックを経て、『銀河鉄道の夜』、『あらしのよるに』などを監督する。
脚本家の星山博之氏は、『機動戦士ガンダム』でお馴染みだ。2000年代に入っても『∀ガンダム』などを手がけたが2007年に逝去されている。
本田保則氏は音響監督。タツノコプロダクションでキャリアを積んだ後に、音響制作のアーツ・プロを設立するなど業界の発展に尽くした。『蒼天航路』、『MONSTER』などの作品がある。
川本征平氏も1960年代からアニメーションの美術として活躍した。1969年には早くも美術スタジオのアトリエロークを設立した。
これまでも何人もの功労者をだした歌手・声優からは大杉久美子氏、小林清志氏が挙がっている。大杉氏は『アタックNo.1』でデビュー後、『エースをねらえ!』、『アルプスの少女ハイジ』など次々に人気アニメの主題歌を担当した。その明るい歌声は多くの人に聞き覚えがあるだろう。小林清志氏は『ルパン三世』の次元大介などで活躍するベテラン声優。
さらにプロデューサーとして、東映アニメーションの元取締役でもある高見義雄氏を顕彰する。昨年2017年3月に世を去ったが、『銀河鉄道999』、『北斗の拳』など多くのヒット作を生みだしてきた。
本橋浩一氏は、1975年に設立されたアニメーション製作会社日本アニメーションの創業社長。世界名作劇場シリーズ、『未来少年コナン』、『みつばちマーヤの冒険』など、日本のアニメーションを彩る多彩な作品を制作してきた。
渡邊泰氏はアニメーションの研究家として、初めての功労賞の受賞となる。1934年生まれで若い頃より、世界のアニメーション史を研究してきた。『日本アニメーション映画史』(共著、有文社)などの著作がある。2014年には文化庁メディア芸術祭でも功労賞を受賞している。
アニメ功労部門の授賞式は、3月9日から12日までの4日間、東京・池袋地区で開催されるTAAF2018で実施される。当日は、2017年の優れた商業作品に贈られりアニメ・オブ・ザ・イヤー、各国の公募作品から選ばれる公募部門の授賞もする。
東京アニメアワードフェスティバル 2018
https://animefestival.jp/
[功労部門・授賞者]
■ 歌手
大杉久美子
■ 美術監督
川本征平
■ 声優
小林清志
■ 監督
芝山努
杉井ギザブロー
■ アニメーター
須田正己
■ プロデューサー
高見義雄
■ 脚本家
星山博之
■ 音響監督
本田保則
■ プロダクション設立者
本橋浩一
■ アニメーション史研究者
渡邊泰