800年を超える歴史を持つ京都のさらなるブランド向上と観光振興に、人気アニメが協力することになった。テレビアニメシリーズ『有頂天家族』が、“京都特別親善大使”にこのほど就任した。
2017年1月12日、作品ともとりわけ縁りの深い京都市内の下鴨神社に境内にある能舞台にて、シリーズの続編『有頂天家族2』の成功祈願が実施された。神社には原作者の森見登美彦、吉原正行監督、堀川憲司プロデューサー、そしてキャストを務める櫻井孝宏、能登麻美子、間島淳司らが参列。この場には門川大作京都市長が訪れ、親善大使の任命を行った。
『有頂天家族』は、京都在住の人気作家・森見登美彦が書く、ファンタジックな小説を原作。下鴨神社に住む人に化けて暮らす狸の一家を軸に、少し奇妙な物語が繰り広げられる。これを『true tears』や『花咲くいろは』などでお馴染みのP.A.WORKSのアニメーション制作で、2013年テレビアニメ化された。丁寧な作画に、個性いっぱいのキャラクター、奇想天外な展開で多くのファンから、本作は大きな人気を博している。
この人気を受けて、続編の製作が決定。2017年4月よりテレビ放送を開始する。12日のイベントもこの成功祈願であったが、思わぬサプライズが飛び出したかたちだ。
『有頂天家族』は京都が舞台の作品ということで、これまでもたびたび地域でイベントを開催してきた。さらに今回は、京都特別親善大使となることで、よりアクティブに京都のアピールに一役買う。
作品のテーマともなっている「おもしろき事は良きことなり」を絡めて、本作のキャラクターたちが京都の魅力を紹介する。第1弾として2月1日からは地元・叡山電車に「有頂天家族号」が運行を開始する。車内には、作品のキャラクターや設定、美術ボードなどのポスターが飾られる。
キャンペーンは、京都だけでなく、全国で繰り広げるとのこと。京都とコラボレーションする『有頂天家族』の面々が、各地で見られそうだ。近年はアニメと地域のつながり、コラボレーションに注目が集まっている。その中でもとりわけ先駆的な試みになる。
京都市は、毎年秋に京都国際マンガ・アニメフェアを開催するなど、ポップカルチャーの活用に積極的だ。日本の伝統と最新のカルチャーを組み合わせることで、地域の活性化に成果をだしている。
『有頂天家族2』 http://www.uchoten2-anime.com/