
■アニメやマンガ、ゲーム、音楽、映画で海外売上高20兆円が目標
アニメやマンガ、ゲーム、音楽、映画などに対する日本の産業成長への貢献に対する期待が高まっている。コンテンツ分野の各産業の高い成長に、にわかに注目が集まっている。内閣府によれば、日本のコンテンツ産業の海外売上高は2022年に4.7兆円、半導体の5.7兆円、鉄鋼の5.1兆円に迫る規模までになっている。
こうしたなか政府は、この4.7兆円を2033年までに20兆円に拡大する戦略を掲げた。10年間で4倍以上との高い目標である。
非常に高い目標になるため、どのように実現に導くのかと懸念もあるが、経済産業省のエンタメ・クリエイティブ産業政策研究会は2026年3月27日に実現までの施策、実行スケジュールを公表した。経済産業省のコンテンツ産業への新たな支援制度(IP360)開始に合わせたものである。
こうしたなかでこれまで全体で20兆円と分かりにくかった目標の分野別目標数値も明らかにされた。
■アニメ産業は8年間でプラス4兆円
アニメについては、2033年までに6兆円が目標として示された。2024年の段階で2.1兆円であるためおよそ10年で3倍を目指すことになる。
アニメの海外売上高は過去10年間で6倍になっているが、それはもともとの売上高が小さかったことも理由だ。10年間の増加額は1兆8000億円、今後さらにそこから4兆円近くを上積みしなければ実現できない。
このほか2024年に3.4兆円であったゲームは12兆円の目標が掲げられている。ゲームとアニメで20兆円の9割、18兆円を占める。
マンガは3000億円から1兆円、音楽は1000億円から5000億円~1兆円のレンジ、実写映像は1000億円から5000億円。現在の売上が低いだけに高い成長を求められる。
アニメについては現在の海外売上の約2兆円のうちおよそ半分の1兆円が配信プラットフォームの売上とされている。ただ日本アニメはすでに世界200ヶ国・地域で配信されていること、またグローバル配信事業者の寡占が強まっていることからこの部分を3倍にすることはかなり難易度が高いと考えられる。そうであれば拡大するべきは、映像以外のライセンス利用や二次展開市場となる。
■大作の増産に、流通整備
経済産業省では、民間投資を増やし、「大型作品(ブロックバスター)の増産」「成果報酬率向上」でこれを実現するとしている。行政は大規模作品製作、国際的な流通プラットフォームの拡大、作品開発体制構築を支援するとしている。具体的には大型作品の資金調達環境の整備や制作者の就業環境の整備・賃上げ、流通プラットフォームのローカライズ、AIも活用した開発プラットフォームの整備を挙げている。
支援のための国の予算も大幅に拡大されている。2024年度には200億円に満たなかった財政支援は2026年度には589億円まで増額されている。
この増額部分の大半は経済産業省の予算で、文化庁の200億円を超えて全体予算の6割、355億円を占める。コンテンツ振興は「文化」から「経済」へとアクセルがかかっている。











