日本映像ソフト協会が発表する「2023年12月度 ビデオソフト月間売上統計報告」によれば、2023年1月から12月までの国内1年間の映像ソフト売上高は、1152億3500万円だった。これは前年比0.4%増になる。
2004年以来、19年ぶりに上昇に転じた。2022年は1148億1900万円で前年比16.1%減であった。上昇数値が小さいため反転とは言えないが、長年の一方向の下落基調には歯止めをかけたかたちだ。
ただし前年並みとなったのは売上金額だけで、数量ベースでは2680万枚と前年の3098万枚より13.5%減少と依然、下落幅が大きい。これは売上単価の低いレンタル用の下げ幅が大きく、単価の高い個人向け販売が増加したことが理由だ。
レンタル向けは数量でDVDが66.8%減、ブルーレイが51.9%減と落ち込みが大きい。一方で個人向けではDVDは6.5%減、ブルーレイは前年と変わらず、売上高ではいずれも前年より伸びている。個人向けは売上高で全体の約93%、個人向けブルーレイが約64%を占めることになる。国内の映像ソフト市場は、個人向けブルーレイで成り立っていると言っていいだろう。
アニメーションや洋画、音楽などのジャンル別の動向については、月間売上統計報告では記載されていない。日本映像ソフト協会は2022年まで詳細な「年間統計調査結果」発表してきたが、2023年はリリースとしての発表はしなかった。
これに替わるものとして、5月に有料動画配信市場も含めた「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査」を発表している。映像ソフトと有料配信を合せてひとつの市場とみなしていく方針とみられる。