
2026年2月21日、米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校ロイスホールにて、アニー賞の授賞式が開催される。アニー賞はASIFA-Hollywood(国際アニメーション協会ハリウッド支部)が主催する北米最大のアニメーションアワードだ。
長編から短編、シリーズまで、前年にリリースされた優れた作品とスタッフを32部門にわたり顕彰する。21日の授賞式では各部門の受賞者・作品が発表される。また業界に貢献した組織・個人を讃える特別賞も設ける。
近年は北米での日本アニメの注目が増し、日本関連のノミネートや受賞も増えている。2026年も多数の作品、スタッフが候補にあがっており、授賞への期待も高まっている。現地での発表を前に日本関連のノミネートをまとめてみた。
まず注目されるのは、長編(インディペンデント)賞の候補にあがった『果てしなきスカーレット』。シェークスピアの「ハムレット」をベースにした細田守監督の復讐の物語だ。長編作品部門はメジャー作品とインディペンデトの2部門で10作品がノミネートされるが、今回は日本アニメからは『果てしなきスカーレット』のみにとどまった。
『果てしなきスカーレット』はこの他に、監督賞(長編)、脚本賞(長編)でも細田守の名前が挙がっている。こちらはメジャーとインディペンデトの区別はないためより狭き門で選ばれた。
監督賞(長編)には、日本アニメの『チェンソーマン』の吉原達矢監督もあがっており、5作品のうち2つが日本からとなった。
[ノミネート]
■長編(インディペンデント)賞
『果てしなきスカーレット』
■脚本(長編)賞
細田守 『果てしなきスカーレット』
■監督(長編)賞
細田守 『果てしなきスカーレット』
吉原達矢 『チェンソーマン レゼ篇』
長編作品以外では、日本かのアニメシリーズからの候補も増えている。配信プラットフォームの成長で、より多くの人が作品に触れたこと、日本と米国のリリースがほぼ同時期になり評価しやすくなったことも影響している。配信各社も積極的にアニー賞へのエントリーを推している。
シリーズ(テレビ/メディア)(子ども向け)賞には、Netflixシリーズとして配信された『My Melody & Kuromi』が候補になった。サンリオの人気キャラクターをウィットスタジオがストップモーションで制作した。
テレビ/メディア(限定シリーズ)賞にはディズニープラス向けの『Star Wars: Visions – Volume 3』から デイヴィッドプロダクションが制作した「BLACK」が選ばれている。『Star Wars: Visions – Volume 3』からは別エピソード「The Bird of Paradise」もFX(テレビ/メディア)賞に候補になるなど評価が高い。こちらの制作はポリゴン・ピクチュアズ。
また監督賞 (テレビ/メディア)賞には『ダンダダン』の山代風我、アベル・ゴンゴラ、第24話「激突!宇宙怪獣対巨大ロボ!」を対象としている。
[ノミネート]
■テレビ/メディア(子ども向け)賞
『My Melody & Kuromi』「すべてはともだちのため」
■テレビ/メディア(限定シリーズ)賞
『Star Wars: Visions – Volume 3』「BLACK」 デイヴィッドプロダクション
■監督(テレビ/メディア)賞
山代風我、アベル・ゴンゴラ 『ダンダダン』
■FX(テレビ/メディア)賞
Takashi Okamoto, Kohei Yamamoto, Genyo Sasaki, Chizuru Nakamura, Erika Matsui
『Star Wars: Visions – Volume 3』「The Bird of Paradise」 ポリゴン・ピクチュアズ
日本作品ばかりに目が向いて、見落としがちなのが海外作品に携わった日本出身のクリエイターである。
今年は10部門にわたりノミネートされた『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』が台風の目となっている。このうちキャラクター・アニメーション(長編) 賞のスタッフに古屋隆介、FX (長編) 賞のスタッフに加藤直樹が含まれている。
11部門ノミネートでこちらも大本命とされる『ズートピア2』では、ストーリーボード(長編)賞で鳥海ひかりが候補、さらに日本公開も話題の『アメリと雨の物語』は日本在住の福原まりが音楽を担当し、これで音楽(長編)賞の候補に選ばれている。
[ノミネート]
■ストーリーボード(長編)賞
鳥海ひかり 『ズートピア2』
■音楽(長編)賞
福原まり 『アメリと雨の物語』
■FX(長編)賞
加藤直樹ほか 『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
■キャラクター・アニメーション(長編)賞
古屋隆介ほか 『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
アニメ周辺分野の部門でも日本関連がある。キャラクターアニメーション(ゲーム)賞では、小島プロダクションの開発した『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』が。スタッフとして小島秀夫、アニメーターの河田昌章、小島プロダクション、PlayStation Studios XDEVが受賞者候補だ。
コマーシャルや音楽ビデオ、プロモーションビデオなどを対象にするスポンサード賞では『ソニックレーシング クロスワールド』のアニメーションパートが候補5作品のひとつになった。制作はセガ・オブ・アメリカなので、米国作品になる。カプコンの人気ゲームを原作にした『Devil May Cry』も音楽(テレビ/メディア)賞の候補だが、こちらはアニメーション制作は韓国のスタジオミールで日本ではない。
[ノミネート]
■スポンサード賞
『ソニックレーシング クロスワールド ジ・アニメーション』
セガ・オブ・アメリカ
■キャラクター・アニメーション(ゲーム)賞
小島秀夫、河田昌章、小島プロダクション、PlayStation Studios XDEV
『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』
アニー賞は年ごとの活躍に加えて、長年の業界に対する貢献を取り上げる役割もある。なかでウィンザー・マッケイ賞は、アニメーション史において傑出した貢献をした個人を対象にする。スタオジブリ製作で『レッドタートル ある島の物語』を撮ったマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督は今年の受賞者だ。
また業界への技術的な貢献を讃えるUb Iwerks賞には、日本企業のワコムが受賞した。デジタルペンやインク技術、クリエイティブツールが評価された。
[受賞]
■ウィンザー・マッケイ賞
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
■The Ub Iwerks賞
ワコム










