2018年8月10日から12日まで開催されたコミックマーケット94が大盛況の中で幕を閉じた。この最終日に、2019年夏のコミックマーケット96、冬のコミックマーケット97の概要が明らかにされた。
コミックマーケット96は2019年8月9日から12日までの4日間、コミックマーケット97は12月28日から31日までの4日間開催する。1975年にスタート、40年以上の歴史を持つコミックマーケットだが4日間開催は初になる。
会場はこれまでと同様の東京ビッグサイトとなるが、オリンピックの準備に入る東ホールは新旧含めて使用できない。このため西ホール、そして2019年7月竣工予定の南展示場(南ホール)、やや距離の離れた仮設の青海展示場を使用する。西ホール・南ホールは一般サークルのエリアに、青海展示場が企業ブースとなる。
今回の大幅なスケジュールの変更は、東京オリンピック・パラリンピック開催による東京ビッグサイトの利用制約に対応したものだ。
オリンピックの会場等に利用される東京ビッグサイトは、東ホールが2019年1月から2020年11月まで、西ホールが2020年5月半ばから9月末まで一般利用が出来なくなる。一方で現在の手狭な会場の拡張を兼ねた南ホールが2019年にオープンし、さらに期間中のイベント会場不足対策として仮設の青梅展示場が設けられる。これらの会場とスケジュールをどう調整するかが問われていた。
コミックマーケット準備会によれば、東展示棟を除く3展示棟を利用しても1日当たりの使用可能な面積は現状の約75%に留まる。サークル参加数を減少させないために、開催期間を3日間から4日間に広げることで対応することにした。
イレギュラーな状況ではあるが、すでに毎日20万人近くが参加するイベントだけに、期間の延長で参加者の分散という効果が期待出来る。一方でビッグサイトから徒歩10分以上かかる青梅展示場は懸念される。サークル会場と切り離されることで、集客に影響が出るかもしれない。とりわけビジネス目的の企業が中心のため、参加も含めてどう対応するかが問われる。
さらにオリンピック期間前後に重なる2020年のコミックマーケット98も課題だ。すでに2020年ゴールデンウィークでの従来と異なったかたちでの開催を発表しているが、詳細はまだ明らかにされていない。
東京ビッグサイトの会場状況はコミックマーケット96、97の時期と同様だが、開催時期をずらしたことで他のイベントとも重なる。同人誌関連以外でも残された期間に多くのイベントが集中するとみられる。コミックマーケットの対応が、今後も関心を呼びそうだ。