今年で17回目を迎えた吉祥寺アニメーション映画祭が、2022年2月25日から27日までの4日間、東京・武蔵野市の武蔵野公会堂 パープルホールにて開催された。期間中は、映画『音楽』やストップモーション作品『PUI PUI モルカー』などを上映、監督も招いてのトークも実施した。
最終日となる27日には、短編アニメーションを対象としたコンペティション部門を実施。グランプリをはじめ各賞が発表され、授賞式も行った。
一般部門グランプリには、『駐車場でアメを食べたね』の関口和希さんが選ばれた。可愛さも持つキャラクターを柔らかい手描きのアニメーションで動かすのが特徴になった作品だ。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コースを卒業後、東京藝術大学大学院アニメーション専攻でも学んでいる。
吉祥寺ならではの特徴はギャグ作品にフォーカスしたギャグアニメ部門、そして第15回(2019年度)より設けられているストップモーション部門だろう。それぞれ細川晃佑さんの『古代戦殻ジェノサイダー第22話OP・ED・次回予告・CM集』、副島しのぶさんの『Blink in the Desert』に決定した。
今年、目を惹いたのは地元・三鷹市に拠点を持つスタジオにより企業賞である。STUDIO4℃、コアミックス、プロダクション I.Gの3社が審査委員に参加したが、いずれも伊藤瑞希さんの『高野交差点』を選出した。3つの賞を同時受賞の快挙になった。
優秀賞は『私のトーチカ』(石舘波子さん)、審査員特別賞は『闇に蠢く作家』大槻圭紀さんと『カノンの謀殺』(劉禹辰さん・尹暢さん・陸海さん)の2作品だった。
吉祥寺アニメーション映画祭は、少人数制作の面白いアニメーション作品を積極的に評価したいとの思いからスタートした。新しい才能の発掘にも大きな役割を果たしており、これまでの受賞者には様々な場所で活躍するクリエイターも多い。
駐車場でアメを食べたね – Trailer(2021) from Kazuki on Vimeo.
吉祥寺アニメーション映画祭 https://www.kichifes.jp/animation/
第17回 2021年度受賞作品
[一般部門グランプリ]
『駐車場でアメを食べたね』 関口和希
[ギャグアニメ部門グランプリ]
『古代戦殻ジェノサイダー第22話OP・ED・次回予告・CM集』 細川晃佑
[ストップモーション部門グランプリ]
『Blink in the Desert』 副島しのぶ
[優秀賞]
『私のトーチカ』 石舘波子
[審査員特別賞]
『闇に蠢く作家』 大槻圭紀
『カノンの謀殺』 劉禹辰・尹暢・陸海
[STUDIO4℃賞]
『高野交差点』 伊藤瑞希
[コアミックス賞]
『高野交差点』 伊藤瑞希
[PRODUCTION I.G賞]
『高野交差点』 伊藤瑞希