日本動画協会公認のNFTマーケットプレイス開発、22年内にオープン

オープンポスト

 ブロックチェーン技術を用いたNFTのエンタテイメント分野での活用への関心が続いている。そうしたなかでアニメ分野でのNFT利用拡大を目指した新たな動きが起きている。
 2022年10月27日、アニメ企業の同業者団体である日本動画協会は、オープンポスト合同会社が開発・運営する「AJAオフィシャルNFTマーケットプレイスOPEN POST」と「AJAデジタルアセット管理システム」を同協会が公認した2022年内にオープンする。

 NFTは「Non-Fungible Token」の略語で、日本語では「代替不可能なトークン」と説明されている。ブロックチェーンの技術を使うことで、デジタルデータの唯一性を証明する。
 キャラクターや映像と結びつけたデジタルアイテム商品に利用できることから、アニメとの相性が良いとされている。一方でNFT分野では、これまでに過度な投機が発生したり、著作権を無視したデジタルアイテムが作成され、流通するなどの問題も発生している。公認管理システムとマーケットプレイスの開発は、そうした懸念することなくNFT展開を目指すアニメ業界内からの試みになりそうだ。

オープンポスト

「AJAデジタルアセット管理システム」では、アニメーション制作の際に生まれる中間生成物、また完成原版などにNFTの認証をつけて管理保管する。「AJAオフィシャルNFTマーケットプレイス」は、そうしたNFTをつけたこうしたデジタルアセットを一般ユーザーに販売する場となる。
 管理システム、マーケットプレイスとも、日本動画協会会員各社のみが利用可能となる。同時に各社はリーズナブルにNFTを利用できるとしている。また購入ユーザーにとっては、著作権者自身が発行することで、安心してNFTを購入できる場になる。
 プロジェクト第1弾は、手塚プロダクションと合同会社AKIBA観光協議会とカヤックアキバスタジオのコラボレーションによる鉄腕アトムの二次創作コンテンツのNFT販売を予定している。

 オープンポスト合同会社は2019年に、ブロックチェーン関連事業の会社として設立された。これまでに「J-LODブロックチェーン技術を活用したコンテンツの流通システムの開発・実証に関する補助金採択事業」などを手がけている。
 そこではブロックチェーン技術を用いた原著作者との収益配分を自動化や改ざんされない永続的な作品管理、契約を透明に運用するシステムを構築などの開発をした。これらの成果がいよいよビジネスとして活用されることになる。NFTへの熱狂が一段落するなかでの新たな挑戦が注目される。

NFTマーケットプレイスOPEN POST
https://www.openpost.co.jp/

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る