SNSなどで展開するショートアニメ制作のPlottが、2024年11月に10億円の資金調達をした。シリーズBラウンドと呼ばれるスタートアップ企業の初期段階の資金調達にあたる。
出資企業はジャフコ グループやみずほグループ、三菱UFJ、SMBC日興証券など金融機関系のベンチャーキャピタルのほか、MIXIやバンダイナムコエンターテインメントも参加する。バンダイナムコエンターテインメントは、グループのIP成長の一環だ。同社の運用するBandai Namco Entertainment 021 Fundは3年間で30億円の投資を予定、一社ごとの投資は数千万円から5億円としている。
Plott は学生企業家からスタートした奥野翔太氏が、2017年に立ち上げたベンチャー企業。縦読みマンガのプロデュースやゲーム、音楽、グッズなど、コンテンツ分野の幅広いビジネスを展開している。「テイコウペンギン」を題材にしたカジュアルゲーム『テイペンウォーズ~ブラック企業破壊大作戦~』などのヒットがある。
なかでもいま注目されているのが、YouTubeやTikTokで展開するショートアニメになる。同社の制作した作品は、これまで累計で100億回以上再生されているという。昨今、手軽にSNS上で楽しめるショート動画が広く人気を集めて、ビジネス面でも関心が高まっている。Plottはショートアニメの切り口で、このジャンルを開拓する代表的企業だ。
今回の調達資金は、新たな作品の制作、新規事業の進出、人材獲得に投資する予定だ。まず今後2年間で100作品を制作し、また新事業としてハイブリッドなカジュアルゲーム10作品、楽曲50曲を制作する。このため100名規模のプロデューサー採用も実施する。
そのうえで若年層を起点とした流行を捉えて、新しいビジネスモデルの創出を目指す。またユーザーやクリエイターとの関係性を構築し、アニメやマンガなどの日本のエンタテイメントメ産業の成長の一翼を担うことも目指す。