京楽産業ホールディングスが、AI活用技術のGlobal Walkersと共同で海外スタジオを活用したデジタルマンガとアニメのペイント、仕上げをする事業を開始する。両社は共同事業契約を締結し、海外に専門制作スタジオを開設した。
海外拠点を活用することで、同事業ではマンガでは月産6000コマ以上、アニメでは2万枚以上の生産が可能だという。さらに体制を拡大し、2024年中にはマンガで月産1万2000コマ以上、アニメでは4万枚以上を仕上げる体制を構築する予定だ。また線画や背景、撮影工程への対応も視野にいれ、こちらも2024年中の開始を目指す。
人材は海外現地拠点で専門人材を採用し、京楽産業HDがもつマンガやアニメを素材に育成をしている。日本のイラスト専門の技術者が日本ならの細かなニュアンスや制作過程のルール、専門ツールの効率的な使いかたなどを教育している。
マンガでは指定の内容に基づいた作品の背景やキャラクターの着彩をし、彩色データとして納品する。マンガだけでなく、イラストやWebコンテンツでも同様の着彩工程をサポートする。clip studio paint pro/exとadobe photo shopに対応している。
アニメではテレビや配信向け作品のほかCMやMVなど幅広い作品の仕上げをサポートする。こちらはclip studio paint pro/ex、adobe photo shopのほか、今後Adobe after effectへの対応も予定する。
遊技機大手の京楽産業は、総合エンタテインメントグループとしてゲームやテレビ番組、タレントマネジメントなど幅広い分野に進出している。近年は映像事業にも積極的で、アニメを中心に映像制作をする「MAGNET」ブランドで掲げる。アニメの企画・製作のほか、グループ会社のダックスプロダクションでは音響制作もしている。新事業進出で、今後は仕上げ作業を足掛かりにアニメーション制作にも関わることを目指すことになりそうだ。
Global Walkersは、AI学習やディープラーニング、画像処理技術の領域で強みを持つベンチャー企業だ。これまでAI学習用データ作成において、海外拠点を活用してきた。こうしたノウハウを今回の取り組みに活かす。将来的にはAI技術のデジタルマンガ、アニメの応用も目指している。
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