WIT STUDIOが中東向けアニメビジネス強化、キューダップに出資

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 国内有力アニメスタジオのWIT STUDIOが、中近東のビジネス展開強化に乗り出した。エンタテイメント持株会社のIGポートは、グループのアニメーション制作会社WIT STUDIOが2024年5月31日付で、コンテンツプロデュースの株式会社キューダップの株式の一部を取得したと発表した。
 キューダップはコンテンツ関連のプロデュース事業や海外ビジネスコンサルティングの会社で、中東地域を得意にしている。WIT STUDIOはキューダップの発行済株式の14.3%を取得する。譲渡価格は非公開。

 キューダップは2014年に東京都千代田区に設立された。海外向けにアニメ情報を発信する「Honey’s Anime」や英語での小説投稿サイト「Honeyfeed」を運営する。著作権エージェンシー「Hivemind」ではプロデュース事業も手がける。海外に向けて広くビジネス展開するのが特徴だ。
 なかでも中東を得意としており、アニメ業界では稀有なアラビア語によるアニメ情報ウェブメディア「AniMENA」を運営する。またアラブ市場のほか、海外事業展開のコンサルティングもする。
 WIT STUDIOは、2012年にIGポートの子会社として設立されたアニメーション制作会社だ。『進撃の巨人』、『甲鉄城のカバネリ』、『SPY×FAMILY』ほか多くのヒット作を作りだしている。IGポートでは、プロダクション I.Gと並ぶ中核スタジオに位置づけられている。
 近年、アニメ業界では今後の有力市場として成長性の高い中近東への関心が高まっている。しかし、多くの企業でアニメビジネスで新興市場の中東に対する知識はは十分でない。
 今回は中東に知見が深いキューダップの株式取得を通じて、WIT STUDIOはそうした状況に積極的に対応していく。中東でのビジネス強化と自社作品のグローバル展開の強化を目指すとしている。海外ビジネス強化戦略を掲げるIGポートの戦略の一環にとっても重要なものになりそうだ。

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