日本のアニメビジネスに風を巻き起こそうと、2024年に新たな会社が立ちあがった。2024年3月末までアニメスタジオMAPPAの取締役を務めていた木村誠氏が独立、同氏が代表取締役となり株式会社BLUE RIGHTSが設立された。
BLUE RIGHTSはテレビアニメや劇場アニメの企画製作をはじめ、小説やマンガ、音楽、イベント、商品のプロデュース、コンサルティングやCM・MVの制作もするとしている。アニメだけでなく幅広いエンタテイメントを取り扱うこと、またアニメーション制作よりも企画・製作に重点が置かれているのが特徴だ。
こうした新会社の特徴は、代表取締役である木村誠氏のキャリアに負うところが大きい。木村氏はフジテレビで深夜アニメ枠のブランディングの先駆けとなった「ノイタミナ」のプロデューサーとしてアニメビジネスのキャリアをスタート。その後、アニメ企画・製作のツインエンジンを経て、2018年よりMAPPAに参加した。
MAPPAでは取締役のほかライツ部部長として、アニメプロデューサーだけでなく、ファイナンスやライセンスビジネスなどを担った。企画・製作のスペシャリストである。
なかでもテレビシリーズ『チェンソーマン』におけるMAPPAの全額出資や「MAPPA SHOWCASE」「呪術廻戦展」「チェンソーマン展」といった企画展の実現で大きな役割を果たした。いずれもそれまでは、新興のアニメスタジオが実施するにはハードルが高いとされていたプロジェクトである。
木村氏はBLUE RIGHTS設立の背景として日本のアニメはグローバルでの配信環境が整い、そのファンの人口はどんどん増え、需要が急速に高まってきていることを挙げる。そのうえで、「企画製作から楽しみ方の提案までたくさんのチャレンジをしてきましたが、これまで仕事をしてこられた事への感謝を忘れないようにしながら、さらに間口を広げて世界中のファンが楽しめるような体験を提供していきたい」と抱負を語る。