アスミック・エースが組織再編 機能別構成で映画事業本部、アニメ事業部消える

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 映画企画・製作・配給などのアスミック・エースは、2024年4月1日付で社内組織を大幅に再編成した。これまでの事業本部単位から、「製作」「マーケティング」「セールス」といった機能ごとの組織に変る。これにより映画事業本部、ライツ事業本部、その下にあったアニメ事業部などが消えることになる。
 
 これまでのアスミック・エースは、経営企画本部のほか、映画事業本部、ライツ事業本部、メディア・プラットフォーム事業本部など4つの事業本部から構成されてきた。映画事業本部には、編成製作部、映画営業部、映画宣伝部、事業企画部が置かれていた。ライツ事業本部ではコンテンツ販売部、アニメ事業部、制作部があった。いわば実写映画とアニメのビジネスは分断されていたことになる。
 新組織ではこれを、映画事業本部とライツ事業本部を合せたうえで、プロダクション本部、マーケティング本部、セールス本部の3つに再編する。実写やアニメといった区分がなくなるかたちだ。
 昨今は、アニメビジネスの強化を目的にエンタテイメント企業では、“アニメ”を独立した事業部・課として新設や強化する動きが広がっている。そのなかで敢えて、制作手法によって区別しない組織編成は新鮮だ。近年のアニメビジネスにも一石を投じそうだ。

 アスミック・エースは1985年設立のアスミックを源流とする老舗の映画会社。現在は住友商事傘下のジュピターテレコムのグループ会社の位置づけだ。中堅規模ながら企画・製作、海外からの買付け、配給、宣伝、パッケージ業務と映画の幅広い事業をカバーする。
 アニメ事業については、積極的に関わった時期と距離を置いている時期があった。近年は再びアニメに力を入れており、湯浅政明監督の『犬王』などの劇場映画、『火狩りの王』や異世界もののテレビシリーズなども手がける。

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