日本アカデミー賞協会は2021年1月27日に、第44回日本アカデミー賞の作品賞など正賞15部門の優秀賞ほかを発表した。優秀賞は協会員全員の投票でよって、2020年に公開された映画から各部門5作品、もしくは5人(組) が選ばれた。
このうち劇場アニメーションを対象とする優秀アニメーション作品賞には、『劇場版 ヴァイオレット・エヴァガーデン』、『映画 えんとつ町のプペル』、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』、『ジョゼと虎と魚たち』、『STAND BY ME ドラえもん 2』の5作品が選ばれている。
優秀作品賞は大きなニュースだが、選ばれた作品はここからさらに大きな賞を目指すことになる。5作品のなかから再び協会員が投票が行われ、最優秀作品賞が1作品選出される。その結果は、3月19日、東京港区のグランドプリンスホテル新高輪 国際パミールにて開催される授賞式で発表する。
日本アカデミー賞は44年の歴史を誇るが、アニメーション作品部門が設立されたのは2006年からと比較的短い。短いながらも数多くの傑作が、これまでの賞を彩ってきた。昨年は新海誠監督の『天気の子』、その前年は細田守監督の『未来のミライ』。さらに宮崎駿、片渕須直、湯浅政明と監督もビッグネームが並ぶ。それだけに第44回の行方も大きな関心を集めるに違いない。
今年、アニメーション作品賞が大きな注目を浴びそうなのは、『鬼滅の刃』の存在だ。国内映画史上最高の365億円の大記録を立て、さらに記録を伸ばしつつあるから、話題になることは間違いない。
『STAND BY ME ドラえもん 2』は2014年の最優秀賞の続編、ただしこれまで日本アカデミー賞では続編やすでに複数の映画があるシリーズ作品の受賞はない。
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァガーデン』は京都アニメーションが制作する。異世界を舞台に戦争で手を失った女性の運命と人間ドラマ仕立てで描いた傑作だ。『映画 えんとつ町のプペル』は、『海獣の子供』で注目を浴びたSTUDIO4℃が絵本を原作に再び美しい映像を実現した。
『ジョゼと虎と魚たち』は田辺聖子の短編小説が原作。かつて映画化もされたが、本作ではタムラコータローが新たなドラマで男女のラブストーリーを描いた。
日本アカデミー賞協会では、優秀音楽賞でも、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編から音楽を担当した梶原由紀氏と椎名豪氏が選ばれた。こちらも3月19日に決定する最優秀音楽賞の候補となる。
日本アカデミー賞
https://www.japan-academy-prize.jp/
【日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞】
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァガーデン』
『映画 えんとつ町のプペル』
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
『ジョゼと虎と魚たち』
『STAND BY ME ドラえもん 2』