韓国・済州島にライオンズゲート初のテーマパーク建設 「トワイライト」から「ハンガー・ゲーム」まで

ライオンズゲート

 2017年8月15日、米国の大手映画会社ライオンズゲートは、韓国のリゾート地済州島に同社初の大型テーマパーク「ライオンズゲート ムービー・ワールド(Lionsgate Movie World)」を建設すると発表した。ランディング済州開発とライオンズゲートが共同で開発する。
 パークはランディング済州開発が運営する統合型リゾート済州新華ワールド内に設けられる。総面積は12万2000㎡。2018年に着工、2019年のオープンを目指す。
 パークは9つの映画ゾーンに分けられて、この中には世界的なヒットシリーズ「ハンガー・ゲーム」、「トワイライト・サガ」、『グランド・イリュージョン』が含まれる。さらに2018年3月公開の『ロビンフッド』のゾーンが早くも予定されている。
 ライド型のアトラクションを設け、作品舞台を再現する。そこにレストランやショップ、そしてパフォーマンスも用意する。

 ライオンズゲートは、1976年にカナダで設立。2000年代に入り、『デイ・アフター・トゥモロー』や「ハンガー・ゲーム」シリーズのヒットで急成長した。
 M&Aにも積極的で、2012年には世界的な大ブームを巻き起こした「トワイライト・サガ」シリーズや『エンダーのゲーム』で知られるサミット・エンタテインメントを子会社化している。これにより一気にハリウッド6大メジャーに続く存在に浮上した。最近は米国アカデミー賞8部門受賞の『ラ・ラ・ランド』や『パワーレンジャー』を製作している。
 今回のプロジェクトでライオンズゲートは、映画だけでなく、テーマパークビジネスでもハリウッドメジャーを追うことになる。そのスタートに東アジアを選んだのは挑戦的だ。

 ライオンズゲートと手を組むランディング済州開発は、中国系のリゾート会社ランディング・インターナショナルの子会社になる。ランディング・インターナショナルはリゾート開発やカジノ運営の大手で、2015年より済州島で250万㎡に及ぶ巨大統合リゾート済州新華ワールドを開発している。ライオンズゲート ムービー・ワールドもこの中のひとつになる。
 
 近年、東アジア周辺のグローバルな映画を題材としたテーマパークの競争が激化している。日本では抜群の集客力を誇る東京ディズニー リゾートと大阪のユニバーサルスタジオ ジャパンが積極的な投資とパークの拡張を続けている。
 中国では2017年にオープンした上海ディズニーランドが人気を集めるほか、巨大施設の上海ドリームセンター、北京ではユニバーサルスタジオの建設が進む。さらに香港ディズニーランド、シンガポール ユニバーサルスタジオと百家総攬だ。
 そのなかで韓国はこれまでにユニバーサルスタジオ建設の計画などもあったが実現せず、映画・キャラクターのテーマパークの空白地帯であった。今回の事業計画は、ここに目をつけたかたちだ。
 済州島は、中国、日本、台湾のいずれの地域からもアクセスがよい利点もある。さらに既に複数の施設があるディズニーやユニバーサルでなく、世界初となるライオンズゲートのパークとすることで差別化を図る。新しい人気テーマパークになる可能性は十分だ。

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