サウジアラビアのマンガプロダクションズと東映アニメーションが共同制作した長編アニメ映画『ジャーニー』が、米国ハリウッドで上映された。2022年4月12日、ハリウッドの中心地にある名門劇場TCLチャイニーズシアターでプレミアイベントを実施した。当日はハリウッドらしい大勢のセレブも参加した。
チャイニーズシアター1927年に創業した。歴史ある劇場の多いハリウッドのなかでもとりわけ有名で、劇場前の映画スター・関係者が残した手形・足形と共によく知られている。
マンガプロダクションによれば『ジャーニー』は、チャイニーズシアターでプレミア上映されるアニメーション映画としては史上2番目。サウジアラビアの映画としては初になる。
『ジャーニー』はコンテンツ産業の振興・育成を進めるサウジアラビアの国家がかりの大型プロジェクトとして製作された。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が運営するミスク財団の子会社マンガプロダクションズが、東映アニメーションと共同制作することで同国初の長編アニメを実現するものだ。
制作にあたってはサウジアラビアから若手のスタッフが来日、東映アニメーションにて研修を受け、さらに制作参加した。制作の過程でアニメ制作のノウハウを学ぶことも目的になっている。
作品はアラブでは古くから知られた説話をベースに、アニメならでは一大スペクタクルに仕上がっている。監督には『名探偵コナン から紅の恋歌』や『GODZILLA 怪獣惑星』の静野孔文、 脚本は『ポケットモンスター』シリーズや『ドラゴンボール超』の冨岡淳広、 キャラクターデザインは『逆転裁判』シリーズなどの岩元辰郎、音楽は『聖闘士星矢』などの和田薫と豪華スタッフも見どころになっている。
2021年にはアラブ9ヵ国、それに日本でも劇場公開されている。今回は映画の都のど真ん中で、その成果を披露する。アニメと映画の分野でさらなる飛躍を目指すマンガプロダクションズの決意を示したかたちだ。