バンダイナムコフィルムワークスがSUNRISE BEYONDを吸収合併、事業を継承

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 バンダイナムコグループのアニメ・映像事業会社バンダイナムコフィルムワークスが、子会社でアニメーション制作をするSUNRISE BEYOND(サンライズビヨンド)を吸収合併する。2024年1月9日、バンダイナムコフィルムワークスとSUNRISE BEYONDが、それぞれの公式サイトで告知した。
 バンダイナムコフィルムワークスは2024年4月1日付でSUNRISE BEYONDを吸収合併し、同社の事業を継承する。バンダイナムコフィルムワークスは、アニメ企画・製作、制作のサンライズなどを前身として2022年に現在の体制となった。今回の吸収合併で子会社に残っていたSUNRISEの名称は消え、社名としてのサンライズも完全に消えることになる。

 SUNRISE BEYONDは、2019年3月にサンライズの子会社として設立された。IGポートのグループ会社であったジーベックのアニメーション制作事業部門を買収し、その受け皿を目的とした会社であった。
 ジーベックは1995年にプロダクション I.Gの子会社として誕生し、『機動戦艦ナデシコ』や『蒼穹のファフナー』、『ブレイク ブレイド』といったヒット作を生み出してきた。しかし経営面では脆弱で赤字が続き、2019年に旧作の権利とマネジメントはプロダクション I.Gへ、制作現場はSUNRISE BEYONDへ譲渡するかたちで再編された。SUNRISE BEYONDになった後も、『境界戦機』、『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』といった人気作を制作している。
 SUNRISE BEYONDになった後は、2022年にバンダイナムコフィルムワークスの制作拠点である荻窪のホワイトベースにスタジオも移転している。経営の一体化が進められるなかで、今回の完全な経営統合という選択になった。

 バンダイナムコフィルムワークスは近年、アニメーション制作だけでなく、作品権利のマネジメントや二次展開ビジネスへの進出に積極的だ。一方で、アニメーションの制作能力の拡大も進めている。制作子会社はSUNRISE BEYONDだけでなく、バンダイナムコピクチャーズ、アクタスがある。M&Aや資本業務提携に熱心で、サブリメイション、studioMOTHER、アニマなどにも出資する。
 巨大化する大手アニメ企業の展開は、変化の激しいアニメ業界の現在を象徴するかたちだ。今後のバンダイナムコグループの展開と共に、注目される動きになりそうだ。

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