テレビ東京ホールディングス(HD)は、リアルな人間とCG制作による仮想映像を組み合わせたバーチャルプロダクション番組制作を推進する。2023年11月9日、バーチャルプロダクション分野で大きな成果を上げているCG映像制作のD・A・G資本業務提携を締結したことを発表した。
D・A・Gが新株を発行、第三者割当でテレビ東京HDがこれを引き受ける。テレビ東京HDの持株比率は20%となり、D・A・Gを持分適用会社とする。
D・A・Gは 2004 年に設立され、3DCGの制作やゲーム開発を手掛ける。東京・六本木と福岡・天神の二ヵ所に制作拠点を持つ。従業員は240名を擁する。
D・A・Gの強みは実際の人間の動きをCG映像に取り込むモーションキャプチャーと、最近では現実の被写体と仮想背景を組み合わせるバーチャルプロダクションにある。いずれも社内に独自のスタジオ併設している。
テレビ東京は放送番組のテクノロジーの進歩のなかで、このほどバーチャルプロダクションの積極導入を明らかにした。これまでスタジオセットを使ってきた番組の多くをバーチャルプロダクションに移行する。2025年4月まで、今後1年半の間でスタジオ制作番組の6割をバーチャルプロダクションに置き換える。この中でD・A・Gの技術投入が期待される。
バーチャルプロダクションを使うことで美術セットの制作費を削減、またこれまで大道具・小道具を入れ替えに要してきた時間が大幅短縮する。スタジオの稼働率を大幅に引き上げも可能になる。まず来春にニュース番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「News モーニングサテライト」から導入を開始する。
両社の協力はバーチャルプロダクションに限らない。今回の提携では、オリジナルIPの展開も見据えているという。D・A・GのハイクオリティなCG映像を用いたオリジナルIPといった展開も、今後はありそうだ。
D・A・Gはより幅広いコンテンツ制作に挑戦するとしている。テレビ東京はアニメ事業に強みを持つが、そのビジネス展開、メディアミックスのなかで、D・A・Gの役割が期待される。
株式会社D・A・G (D.A.G Inc.)
https://www.dag-inc.co.jp