イード、雑誌「アニメディア」などアニメ関連事業を学研HDから取得

提携

 インターネット上のアニメ情報サービスと出版でのアニメ情報サービスが、ひとつの企業のもとに集まることになった。ウェブメディア運営のイードは、2019年12月19日、学研ホールディングスのアニメ関連業を取得することを明らかにした。
 同日取締役会を開催し、学研ホールディングスの出版事業会社である学研プラスからアニメ雑誌「アニメディア」などのアニメ関連事業を取得するための基本合意を結ぶ決定をした。対象事業には「アニメディア」のほか、「声優アニメディア」「メガミマガジン」の二つの雑誌、またムック本の刊行が含まれる。さらにウェブ情報サイト「超!アニメディア」も取得する。2020年1月22日に契約を締結、2月1日に譲渡を実施する。

 取得対象となるアニメ事業の経営現況は現在精査中。譲渡価額、決済方法などは未定としている。イードでは2020年3月に開催される総合アニメイベント「AnimeJapan 2020」の時期を目途に、今後のアニメ関連事業の戦略を発表する。

 イードは2000年に設立されたウェブ情報サイトの運営やリサーチ、ECなどの複数の事業を持つIT企業である。なかでもウェブ情報サイト運営の比重は高く、車の「レスポンス」、ゲームの「インサイド」、教育の「リセマム」、映画の「シネマカフェ」などを主力としている。
 アニメは2012年に取得した「アニメ!アニメ!」と「アニメ!アニメ!ビズ」があり、アニメ分野の有力サイトになっている。今回の事業取得では、ウェブメディアと紙メディアの連携やアニメ関係者・ファンに認知の高い「アニメディア」のブランド活用に狙いがありそうだ。

 「アニメディア」は1981年に学研が創刊したアニメ分野の有力誌で、総合アニメ雑誌では「アニメージュ」「Newtype」と並び、長らく3大誌として知られてきた。また「メガミマガジン」は男性向けアニメ専門誌、「声優アニメディア」は声優ファンとコアな読者を掴んでいる。
 しかし学研グループは近年、事業再構築を急速に進めており、コア事業は教育、次いで医療・看護・福祉になりつつある。そのなかで非中核事業となるアニメ関連事業を経営から切り離したかたちだ。経営は代わるが、事業譲渡後も各誌の発売元は学研プラスが続ける。

 アニメ雑誌は他の多くのジャンルがそうであるように、過去10年間で発行部数を大きく落としている。そのなかであえて出版事業を取得したイードの狙いは、メディア多角化による相乗効果かもしれない。出版を通して多くのアニメファンにリーチする「アニメディア」各誌は、イードの掲げる「メディアの 360 度ビジネス展開」にマッチングする。
 また「アニメ!アニメ!」と「超!アニメディア」を合わせると、総合アニメ情報サイトでは毎月200 万人、2000 万 PV以上の国内トップとなる。こうした数も大きな力になりそうだ。
 両メディアのファンを合わせることで、番組制作や配信、イベント展開、音声やVTuber、さらに海外などの新領域の展開を進めるとしている。ウェブと出版の連携が、どのような効果を発揮するのかは、アニメ業界に限らず注目を集めそうだ。

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