マンガアーカイブ機構が設立発表 原画保存に出版や関連施設が文化庁と連携

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 マンガ原画・関連資料の保管を目指す新団体「一般社団法人マンガアーカイブ機構」の設立が発表された。団体は2023年5月1日にすでに立ち上げられており、本部は秋田県の横手市増田まんが美術館内に置かれている。
 代表理事を横手市増田まんが美術財団の大石卓氏、業務執行理事を京都精華大学の吉村和真氏、そして理事を熊本大学の鈴木寛之氏と講談社の森田浩章氏が務めている。出版社、美術館、大学と広い連携を取る。

 マンガアーカイブ機構の目的な、国内の商業マンガの雑誌・単行本、その原画や関連資料を保存し、次世代に継承していくことだ。こうした資料が近年、散逸しつつあることへの危機感が背景にある。出版社やマンガ関連施設が協力することで、収蔵スペースの早急な拡大を目指す。
 機構では「アーカイブ有識者会議」を設置し、原画収蔵と整理を実施する。また秋田県横手市の建造物を活用することで原画収蔵能力を強化する。さらに京都においても収蔵能力の拡大を視野に入れる。

 マンガアーカイブ機構は、文化庁によるメディア芸術連携基盤等整備事業における協議がスタートになっている。現在も文化庁事業のマンガ原画アーカイブセンター(MGAC)では、マンガ原画保存についてのマンガ画家や出版社との話し合いを実施しているが、収蔵原画の選定などよりフォーカスした取り組みになる。
 事業協力する出版社はコミック出版社の会の加盟会社が中心だ。現在は秋田書店、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、少年画報社、新潮社、白泉社、双葉社、リイド社、芳文社、日本文芸社、竹書房、宙出版、スクウェア・エニックスのマンガ出版をする主要15社が参加している。

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