新進米国コミック出版がマンガ部門スタート 「虫籠のカガステル」が第1弾

マンガ

 2019年に立ち上がったばかりの米国独立系出版社Ablazeが、新たに日本マンガの翻訳出版に進出する。Ablazeは2020年3月12日、橋本花鳥のSFマンガ『虫籠のカガステル』の英語版刊行を6月からスタートすると発表した。6月に第1巻、以降全6巻が毎月1冊ずつ登場する。
 『虫籠のカガステル』は、人が虫に変る奇病「カガステル」が蔓延した近未来が舞台。主人公で虫の駆除屋である少年キドウが謎の少女イリと出会うことで、大きな事件に巻き込まれていく。

 原作は2005年に作者が自身のウェブで連載をスタートした。その後、同人誌を経て、2015年に徳間書店の月刊マンガ誌「月刊COMICリュウ」に掲載、16年に同社から出版された。
 2018年にはNetflixオリジナルアニメとして映像化を発表した。スタジオKAIのアニメーション制作でシリーズ番組となり、2020年2月に世界配信がスタートしたばかりである。北米ではNetflixで映像化され原作コミックスの売上が伸びることが少なくない。Ablazeもアニメシリーズ公開に合わせた戦略となる。

 北米の日本マンガ市場は2000年代後半からの停滞を経て、2010年代半ばより売上が再び拡大している。各社とも以前より出版に積極的だ。
 一方で現在の市場シェアのほとんどは、小学館集英社系のVIZ メディア、講談社USA、KADOKAWA系のエンプレスと日本の大手出版社系列に占められている。中堅以下の出版社の北米での翻訳出版は以前よりハードルが高くなっている。Ablazeは、そうしたマーケットを埋める。
 Ablazeは2019年に大手出版社に属しない独立系コミック出版社としてオレゴン州ポートランドで事業をスタートした。フランスのバンドシネマのホラー作品『Vampire State Building』の英語翻訳版が市場参入の第1弾。ロバート・E・ハワードの冒険ファンタジー「英雄コナン」シリーズのコミック版『The Cimmerian』の刊行も手がける。

 北米では日本マンガ翻訳のベンチャー出版社Denpaが2019年に設立され、『PEZ』(浅田弘幸)、『賭博黙示録カイジ』(福本伸行)、『ぼくは麻理のなか』(押見修造)などを刊行している。また2020年にはKaiten Booksも設立された。『ひとりぼっちの異世界攻略』と『剥かせて!竜ケ崎さん』の刊行を発表した。ベンチャー企業が新たなマンガ出版の潮流になりつつある。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. ぼくらの七日間戦争
     毎年フランスで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭/MIFAは、新型コロナウィルス感染症の拡…
  2. アヌシー国際アニメーション映画祭
     アヌシー国際アニメーション映画祭が、中止されたリアルイベントに代わるオンライン映画祭の概要を明らか…
  3. 「アニメーターの仕事がわかる本」
     「アニメーターの仕事がわかる本」。最近僕の周りで「読んだ!」と言われる比率が圧倒的に高い本です。今…
ページ上部へ戻る