テレビ東京ホールディングス(HD)は、2月5日に2020年3月期第3四半期の決算を発表した。連結売上高は1098億8400万円と前年同期比0.6%の微減、営業利益は45億700万円(4.4%減)、経常利益(2.9%減)、当期純利益23億4500万円(12.2%減)と減収減益となった。
収入面では放送収入の減少が目立った。放送収入のうちタイム収入でレギュラー番組が苦戦し、4.4%減の361億円となった。スポット収入も11.7%減の198億100万円である。
一方でアニメ部門は今期も引き続き好調であった。アニメ部門はライツ事業のひとつで、コンテンツ部門、イベント部門と共に構成している。しかし第3四半期までのライツ事業売上げ233億2600万円のうち約3/4をアニメ部門が占める。アニメ部門売上高は171億1600万円で前年比20.7%の大幅増収となった。
アニメ部門の好調は、海外収益の拡大が牽引した。とりわけ中国配信向けの『BORUTO』と『ブラッククローバー』、スマホアプリゲーム向けの『NARUTO』の収益が大きかった。
第3四半期の決算を受けてテレビ東京HDは、アニメ事業の売上げ予想を上方修正している。これまでの202億9200万円から219億6200万円に引き上げ、前年比では8%程度の増加を見通す。
ライツ事業以外のアニメ関連では、CS放送「AT-X」を運営するエー・ティー・エックスがある。有料放送の加入者数減少傾向を広告関連売上でカバーして、売上高が44億200万円で13.4%増となった。
またテレビ東京ミュージックでは、『Re:ゼロから始める異世界生活』と『新世紀エヴァンゲリオン』といったアニメ楽曲の二次使用が好調だった。23億4000万円(14.0%)の売上高に貢献した。
アニメ以外のライツ収入では、ドラマ『きのう何食べた?』の映像ソフトと配信、『孤独のグルメ』の追加印税など堅調だった。ただし中国向けの番組販売は減少した。また映画で『泣くな赤鬼』が苦戦した。
イベント収入は「ジャパンオープン2019」などのフィギュアスケートがあったが、全体では9億5100万円(4.7%減)である。