スマホ向けアプリを通じて人気マンガを無料で配信する株式会社ナンバーナインが、2億円の資金調達をする予定だ。まず第三者割当増資を実施、これを総合エンタテイメント企業のフィールズが引き受ける。
現在、複数の個人投資家、事業会社と協議しており、さらなる資金調達を目指す。調達資金は同社が運営するマンガアプリ「マンガトリガー」での個人に最適化したレコメンドシステムの開発、人材採用に活用する。また調達を通じて、フィールズグループの持つIPやマンガ制作のノウハウの導入、それを活かしたコンテンツの強化をする。
ナンバーナインは、2016年11月に設立されたばかり、「漫画のセレクトショップ」をコンセプトに掲げたiOS向けマンガアプリ「マンガトリガー」を運営している。マンガ閲覧アプリは数多いが、「マンガトリガー」は出版社と協業することで、多くの人気マンガを無料で読める。ただし、1日に読めるエピソードは1話のみ、継続して読む楽しみを重視する。
作品を提供するのは現在、30社。新潮社、竹書房、少年画報社といった老舗からcomicoやディー・エヌ・エー、コルクまで新しいマンガビジネスを展開する企業まで幅広い。掲載作品は100作品と必ずしも多くないが、編集部や東村アキコ、藤田晋、堀江貴文ら著名人が選んで薦める。配信作品には、『Paradise Kiss』や『働きマン』、『孤独のグルメ』、『賭博黙示録カイジ』といった人気作が含まれる。
面白い作品を読みたいけれど、選ぶのに迷ってしまうというユーザーに向けたサービスになっている。「セレクトショップ」を名乗る理由である。
また今回出資が明らかになったフィールズは、遊技機の企画開発やアニメ、マンガ、ゲーム、CG、特撮の総合企業である。マンガ雑誌「月刊ヒーローズ」を刊行する株式会社ヒーローズにも出資する。独自のコンテンツも持ち、そうしたコンテンツをナンバーナインが活用し、新しいビジネスを開拓するのを後押しする狙いがありそうだ。
ナンバーナインの資本金は現在4495万2000円、4月にも個人投資家やベンチャーキャピタルに対して3500万円の資金調達を実施している。先行投資が嵩むスタートアップ時期に、積極的な資金投入で成長を狙う構えだ。
株式会社ナンバーナイン
https://no9.co.jp/
マンガトリガー
https://mangatrigger.com/