フランスのシルヴァン・ショメ監督による傑作アニメーション『ベルヴィル・ランデブー』が、リバイバル公開される。2004年の日本公開から18年ぶりだ。
ウォルト・ディズニー・ジャパン配給で、2021年7月9日より全国順次公開となる。その後7月16日にブルーレイを発売、デジタル配信も開始する。
リバイバル企画は国内外の良質のアニメーションを広く紹介する「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」レーベルの最新作としてだ。誕生から20年間経つなかで、いまだ色褪せない魅力をいま一度世に送り出す。
シルヴァン・ショメ監督は短編『老婦人と鳩』でアヌシー国際アニメーション映画祭グランプリを受賞し、初長編映画として『ベルヴィル・ランデブー』を監督した。本作で名声を確かなものにする。2010 年に『イリュージョニスト』を監督し、いまではヨーロッパを代表するアニメーション監督である。
アニメーション製作のレ・ザルマトゥールも名門である。『キリクと魔女』、『ブレンダンとケルズの秘密』、『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』などの代表作がある。
『ベルヴィル・ランデブー』は、自転車レース中に誘拐された孫を助けるため愛犬とともに大冒険を繰り広げる祖母の物語。一切セリフがなく、シニカルなユーモアも含めたストーリーをくせのある絵で表現する。手描き2DからCGが多用されるようになる過渡期に生まれた映像表現も魅力になっている。
2003年にカンヌ国際映画祭で特別招待作品にて上映された。その評価はフランスを超え、ニューヨーク映画批評家協会賞など世界各地を多くの受賞をした。
日本でも2003年に劇場公開された。現在ほど海外で長編アニメーションが日本で上映されない時代だけに話題も呼んだ。故高畑勲監督も絶賛した。
「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」レーベルは、世界の優れたアニメーションを紹介することを目的に2007 年に始まった。アニメーション文化を広げたいとするジブリ美術館の活動の一環である。作品のセレクションには、高畑勲監督や宮崎駿監督も参加してきた。
映画配給第一弾はロシアのアレクサンドル・ペトロフ監督の『春のめざめ』。その後も『木を植えた男/フレデリック・バック作品集』、『夜のとばりの物語』、『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』といったまさに世界のアニメーションの頂上に連なるラインナップである。その一角に加わる『ベルヴィル・ランデブー』は、初めての人も、もう一度の人も堪能できるはずだ。
『ベルヴィル・ランデブー』公式サイト
https://www.child-film.com/Belleville