2023年で17回目を迎える「声優アワード」が、受賞部門の構成を大きく変えることになった。アワードの中でも注目が高かった主演男優賞/主演女優賞、助演男優賞/助演女優賞、新人男優賞/新人女優賞 の3部門の性別を統合し、新たに主演声優賞、助演声優賞、新人声優賞を設ける。
統合の理由について声優アワード実行委員会は、この数年議論を積み重ねた結果と説明する。昨今理解が広がる多様性の尊重やジェンダーフリーに基づくものだ。
こうした社会の流れに加えて声優の仕事の特徴も見直しにつながった。声優の仕事では女性が少年などの男性キャラクターの声を担当したり、またその逆もありえるからだ。ジェンダーを飛躍した仕事とであることを新たに枠組みで示す狙いだ。声優アワード実行委員会は、声優の賞であるということによりフォーカスでき、賞の意図が明確に伝わりやすくなると考えていると説明する。
声優アワードは、毎年その年度に最も印象に残った声優や作品の業績を称える目的で2007年にスタートした。日本音声製作者連盟やKADOKAWA、文化放送、小学館、小学館集英社プロダクションなどとアニメ業界各社が協力して実施している。その人気に較べて顕彰が機会が少なった声優の仕事の地位向上の役割を果たしてきた。
当初は主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、新人男優賞、新人女優賞、歌唱賞、パーソナリティ賞、特別功労賞そして功労賞で構成されていた。アワードの盛り上がりと共に賞の種類が次第に増えて、現在はシナジー賞、富山敬賞、高橋和枝賞、キッズファミリー賞、特別賞、外国映画・ドラマ賞、ゲーム賞、インフルエンサー賞、MVSなども設けられている。今回はスタート当初からあった主要部門の再編とその意義の大きさもあり、話題を呼びそうだ。
その第17回の主な受賞者・作品は、3月11日に3年ぶりに開催される授賞式で発表される。またこれに先立って特別賞にあたる各賞の受賞者が発表されている。
長年の貢献を顕彰する功労賞には、秋元千賀子さんと屋良有作さん。各方面で活躍する男性声優を選出する富山敬賞に諏訪部順一さん、同じく女性声優を選出する高橋和枝賞に川村万梨阿さん。子どもが選ぶキッズファミリー賞に大谷育江さんと松本梨香さんとベテラン声優が多く並んだ。
声優アワード公式サイト http://www.seiyuawards.jp