バンダイがタテ読みマンガ進出、3年間で10億円を投資

バンダナコミック

 バンダイナムコグループが、タテ読みマンガに本格進出する。2023年2月21日、バンダイはグループ会社でアニメ関連事業を手がけるバンダイナムコフィルムワークスと連携し、2023 年度より縦スクロールマンガ事業に参入すると発表した。
 作品の企画開発にあたっては、バンダイナムコフィルムワークスが出資するマンガ・コンテンツ制作のベンチャーであるエコーズとも連携する。ここで誕生した作品をバンダイナムコグループが持つネットワークを通じて世界で展開することを目指す。アニメ化やフィギュア・雑貨などの商品化も視野に入れる。
 新プロジェクトは新規IP 創出を目的とするもので、その一環としてタテ読みマンガの制作・販売体制を構築する。これに伴いバンダイは4月1日より新設部門として「縦スクロールマンガ編集部」を設立する。2023 年夏以降タテ読みマンガの新レーベル 「バンダナコミック」で作品展開する予定だ。

 タテ読みマンガはスマホアプリなどを用いて、タテに並べられた絵でマンガを楽しむものだ。従来の横開きのマンガよりも縦長のスマートフォンの画面に最適化している。韓国で大きな人気を博した後、世界的に普及しつつある。
 拡大するニーズを背景に国内でもプラットフォームや作品制作に進出する出版社、IT企業などが相次いでいる。今後は激しい生き残り競争が続きそうだが、バンダイグループの強みは資本力の厚さと、豊富なアニメタイトル、コンテンツ育成の経験の多さとノウハウだ。
 本事業参入に向け、グループは3年間で10億円の投資を計画する。制作作品はバトルアクションやアドベンチャーなどのオリジナル、さらにバンダイナムコフィルムワークスの旧作のリブートも計画する。

 バンダイナムコグループは、「ガンダム」や「ラブライブ!」などの有力作品を多く保有し、長期にわたってビジネス展開をしている。人気タイトルが多いのが強みであるが、新たな作品創出にも積極的だ。
 また幅広いエンタテイメントに強みがある一方で、長年、マンガや小説などの紙やテキストコンテンツは苦手としてきた。バンダイナムコフィルムワークスは、現在小説やマンガ、コラムなどで発信するサイト「矢立文庫」を展開している。そうした経験を今度は新たなインフラと注目されるタテ読みマンガで活かすことを目指す。

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