2022年出版市場規模は2.6%減 紙の減少を電子でカバー出来ず

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 2023年1月25日に全国出版協会・出版科学研究所の発表によれば、2022年の日本国内の出版市場規模は1兆6305億円と高い水準を維持した。しかし前年比では2.6%の減少だった。この調査は2022年1月から12月までの紙と電子の書籍・雑誌の売上げを合算したものになる。
 電子市場の拡大によって近年は好調な成長を続けてきた出版市場だが、22年は4年ぶりのマイナスになった。紙出版が引き続き前年比6.5%減となる一方で、これまで二桁成長を続けてきた電子出版は7.5%増にとどまり、紙の減少分をカバー出来なかったためである。全体における電子出版の比率は30.7%と初めて3割を超えた。

 電子出版市場は5013億円(7.5%増)と依然、成長は続いている。しかしコミックは8.9%増の4479億円となったが、電子書籍は0.7%減少(446億円)、電子雑誌は11.1%減(88億円)で電子出版の拡大が踊り場に入ったことも感じさせる。また電子出版におけるマンガ依存がますます大きくなっていることになる。

 電子出版の成長にもかかわらず、紙市場は全体の7割以上を占める。22年の推定販売額は6.5%減ながら1兆1292億円だった。書籍が4.5%減の6497億円、雑誌が9.1%減の4795億円だ。また雑誌では月刊誌が9.7%減の4017億円、週刊誌は5.7%減の778億円だった。
 20年、21年は好調だったコミックスが大きく下がった。20 年の『鬼滅の刃』、21年の『呪術廻戦』と『東京卍リベンジャーズ』に匹敵する大きなヒット作がなかった。また書籍でも文芸書、児童書、学習参考書、資格試験などの売上が鈍化した。

全国出版協会・出版科学研究所
https://shuppankagaku.com/

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