アニメ「メガトン級ムサシ」、中国のコロナ拡大で新作放送を再び延期

アニメーター

 中国での急速な新型コロナ感染症の拡大が、日本のアニメ制作のスケジュールに影響を与え始めている。テレビアニメシリーズ『メガトン級ムサシ シーズン2』の製作会社レベルファイブ、アニメーション制作のOLM、そして番組公式サイトは2022年12月23日に、年明け1月6日に予定していた第24話の放送を2月3日に約1ヵ月延期すると発表した。
 延期の理由は中国での新型コロナウィルス感染拡大しているためだ。本作では制作工程の一部を中国企業に発注するが、その影響が制作現場に影響を与えているとしている。新型コロナの感染が急速に広がるなかで、こうした作業の仕上がりが遅れているとみられる。

 新たな放送スケジュールでは、年内の12月30日の第23話までは予定通りとなる。その後、年明け1月6日は21話の再放送、13日は22話の再放送、20日は23話を再放送する。さらに1月27日には「メガトン級ムサシ・スペシャル番組」とし、新エピソードは2月3日の第24話からとなる。
 一ヶ月の延期は大きな決断になるが、当面は中国で新型コロナ感染拡大の終息の見通しが立っていないことから、本編クオリティ維持のために決定した。今後は中国の影響を極力抑えるよう工夫と努力を重ねてスケジュールの回復に努めるとしている。

 『メガトン級ムサシ』はゲーム会社レベルファイブが原作を持つ大型プロジェクト。ゲームやアニメ、玩具、音楽などのメディアミックスを仕掛けるロボットアニメだ。
 10月から第2シーズンをスタートしたが制作の乱れが続いている。まず11月4日に放送予定であった第18話を11月18日に2週間延期、18話放送開始後も11月25日放送予定の第19話を12月2日放送に延期するなどが続いていた。いずれも本編クオリティ維持のためとしている。

 日本のアニメはテレビシリーズになると数百人単位のスタッフの共同作業が必要になる。アニメーション制作のうち動画や背景などの工程の一部を中国をはじめとする海外スタジオに発注することが多く、近年は海外情勢がスカジュールに影響を与えることも増えている。
 2020年初頭の中国の武漢市で新型コロナの感染が始まった頃にも、制作の中断や制作素材の受け渡しの遅れでアニメーション制作の一部に大きな遅れがでた。当時は感染阻止の面が大きかった。しかし今回は実際に感染者が多いこともあり、『メガトン級ムサシ』以外でも新たなかたちにスケジュールに影響が発生する可能性もありそうだ。

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