テレビ東京第2Q、アニメ事業で売上げ100億円超え「NARUTO」「遊戯王」など定番安定

ファイナンス決算

 テレビ東京ホールディングス(テレビ東京HD)は2022年11月2日に、2023年3月期第2四半期の決算を発表した。好調だった前年同期と比較して小幅増収増益と安定した業績を続けている。
 連結売上高は713億2000万円(0.6%増)、営業利益は47億3700万円(5.1%増)、経常利益は49億3900万円(3.0%増)、当期純利益は32億9200万円(8.4%増)であった。利益面では過去最高額を更新している。

 安定した業績は、放送に加えて「配信」と「アニメ」の成長が大きい。番組コンテンツの2次利用からの収入が拡大している。テレビ東京HDによれば、23年3月期中間決算までで収益の放送事業とライツ事業の割合は54対46とほぼ同じ水準まで近づいた。ライツ事業にはアニメ、配信、イベントが含まれる。
 こうした実績を受けてテレビ東京HDは、今後3年間をかけてアニメと配信に200億円の成長投資枠を設ける。その一環としてベトナムの映像配信サービス会社POPS WorldwideとシンガポールのNFTプラットフォーム運営のDigital Entertainment Assetにそれぞれ3億円出資した。
 
 コンテンツ制作では、3年間で130億円の投資を上積みする。放送、配信に合わせたコンテンツを制作するとしている。
 アニメ事業の好調は続くが、23年上半期の売上高、粗利益のタイトル別ランキングでは、『BORUTO』、『NARUTO』、『遊戯王』、『ポケットモンスター』、『BLEACH』と90年代から00年代初頭からの作品が上位を占める。作品を長く続けるノウハウの強さがある一方で、今後の成長には新しい有力タイトルの開発も必要になる。コンテンツ投資の強化の成果が期待されるところだ。

 アニメ事業の売上高は好調だ。第2四半期までで100億6900万円で前年比25.3%の増加。特に海外が31.1%増と大きく81億4700万円だった。中国向けの配信売上げ、北米向けの『NARUTO』の商品化権許諾が伸びている。「遊戯王」シリーズのアプリゲームが国内外で好調だった。国内売上高は19億2200万円で5.6%増だ。通期のアニメ事業では186億8800万円を予想している。
 配信売上高は46億1800万円で18%増となった。このうち国内向けの動画配信が33億9800万円で、30.9%の伸びになる。主力タイトルは『ヒヤマケンタロウの妊娠』や『吉祥寺ルーザーズ』、『赤いナースコール』。映画で『劇場版 きのう何食べた?』、『おそ松さん』の収益も貢献した。
 アニメ・配信にイベントも加えたライツ事業全体の売上高は151億1700万円で23.2%増と全体の増収率を大きく上回っている。営業利益も63億7700万円と32.6%増と大きく伸びている。

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