日本映像ソフト協会は2022年8月17日に、22年上半期(1月~6月)のビデオソフト(DVD/Blu‐ray)の売上金額を発表した。パッケージ商品の売上げ減少が長期的に続いていること、新型コロナ禍における消費の不調が続いていることもあり、厳しい結果になった。
上半期のビデオソフトの総売上高は、558億2000万円と前年同期比で19.7%減の減少幅となった。売上げのうちDVDが228億9100万円、Blu‐rayが329億2900万円だった。
ジャンル別では「音楽(邦画)」が16.2%増、「洋画」が48.9%増と堅調であった。しかしアニメの落ち込みが大きく、「日本のアニメーション(一般向け)」は56.4%減と大きく減少した。
日本アニメは、「日本のアニメーション(一般向け)」「日本の子供向け(アニメーション)」の個人向け販売・レンタル向け販売の全てを合算すると118億2000万円、前年比54.6%減と半分以下となった。2021年上半期は260億7700万円であった。
日本映像ソフト協会は、前年に大ヒット作となった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の反動を指摘している。同作が該当する「一般向け」個人販売の102億4400万円(56.4%減)と下げ幅が大きいのは確かだが、「子供向け」個人販売4億300万円(46.4%減)や「一般向け」レンタル店向け9億400万円(27.9%減)の減少も大きい。
さらに『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』ブームの前年にあたる2020年上半期の売上は186億6700万円だった。22年上半期はこれと較べても36.6%減と数字が大きい。アニメビデオソフトのマーケット縮小は、むしろ長期的なトレンドと見てよいだろう。すでにアニメ製作のビジネスモデルは大きく転換してはいるが、それでも年間200億円から300億円程度も予想されるビデオソフトマーケットの状況は、業界に影響を与えずにはいられないだろう。