朝日放送グループ、アニメ制作のSILVER LINK.を完全子会社化

提携

 アニメーション制作会社の再編が活発化している。2020年8月3日、朝日放送グループホールディングスは、アニメーション制作会社SILVER LINK.のアニメーション制作事業を取得、完全子会社にすると発表した。
 2020年10月1日に新設される株式会社SILVER LINK.(新)の全株式を取得、これを完全子会社とする。代表取締役も朝日放送グループから派遣する。
 
 SILVER LINK.は2007年にフロントライン出身のプロデューサー金子逸人氏らが、東京都三鷹市に設立した。2009年には『タユタマ』で元請制作に進出、2010年の『バカとテストと召喚獣』では製作出資もしている。『のんのんびより』、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』、『ストライク・ザ・ブラッド』など多くのヒット作を世に送り出してきた。中堅アニメーション制作会社として、ファンや業界にもよく知られている。朝日放送グループが製作出資する『賢者の孫』などのアニメーション制作も担当した。
 SILVER LINK.(旧)は今回の取引に先立ちグループ会社のCONNECTを吸収合併する。そのうえでアニメーション制作事業のみを分割したSILVER LINK.(新)を設立する。朝日放送グループが子会社化するのはこの会社になる。株式の取得価額は10月1日に確定、上限価額は合意済とする。ただし契約上の守秘義務から開示はしない。

 朝日放送グループは大阪に拠点のである関西大手の放送局である。近年は放送外事業の進出として積極的にアニメビジネスの拡大をしている。
 2016年にアニメ関連事業を集約したABCアニメーションを設立、事業ブランドともしている。その後は経営不振になったキャラクター事業のDLEを子会社化、高坂希太郎監督の作品開発スタジオ開設、CGスタジオを設立、ポストプロダクション専門スタジオのプロセンスタジオの経営権も獲得した。
 朝日放送グループは、中期経営計画で「総合コンテンツ事業グループ」となることを掲げている。積極的なM&Aは、その手段となっている。幅広い事業をまとめることで、相乗効果も狙う。SILVER LINK.(新)を子会社化することは、アニメ事業の強化につながると説明する。アニメーション制作の内製化を目指す。

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