米国での日本アニメ事業強化を目的に、クランチロールが新たなM&Aを実施した。今回の目的はリテール部門になる。クランチロールは2022年8月4日にアニメグッズ販売の米国大手ライトスタッフ(Right Stuf)の買収を明らかにした。買収金額や条件などは非開示。
ライトスタッフ社長のショーン・クレックナー氏は今後、クランチロールの新興事業部門でクランチロールと共に事業を進める。クランチロールはすでに自社でEコマース事業を展開しているが、ライトスタッフが加わることで部門が大幅に強化される。
クランチロールは米国カリフォルニア州に本社を持つ日本アニメを中心としたエンタテイメント企業である。創業時から手掛ける日本アニメの配信では世界最大規模を誇る。
2021年にソニーグループに買収され、ソニー傘下で米国の日本アニメ事業大手のファニメーションと経営統合した。統合後は配信プラットフォームでよく知られたブランドであるクランチロールを統一して用いている。これにより映像配信のほか、グローバルの劇場映画配給やライセンス管理、さらにゲーム、イベント運営などから構成される総合エンタテイメント企業の基盤を固めた。
事業拡大のためのM&Aにも積極的である。今回は、ライトスタッフの持つオンライン商品販売の顧客とネットワーク、ノウハウに目をつけたかたちだ。
ライトスタッフは1983年に現社長のショーン・クレックナーらが設立した日本アニメグッズ販売の大手として知られる。リアル店舗を持たず、ネットやアニメコンベンションと呼ばれるイベントでの販売を中心に活動する。
アニメのDVD/ブルーレイ、キャラクターグッズ、マンガなどコアファン向けの商品を得意としてきた。また数は多くないが自社レーベルのアニメDVD/ブルーレイも販売している。
ショーン・クレックナーは今回の買収について「35年にわたりアニメファンに関連グッズを届けることをミッションとしてきたが、クランチロールと共にこれまで以上にこれを目指したい」とする。
ライトスタッフはグループ会社にアニメ配給のノゾミ・エンタテインメント(Nozomi Entertainment)もあるが、今回の買収では言及されていない。
クランチロール
https://www.crunchyroll.com/
ライトスタッフ
https://www.rightstufanime.com/